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季節によって聴きたくなる曲というものがあります。私的な理由によるところが大きいとは思いますが、ドヴォ6は私にとって夏の音楽です。
♪ドヴォルザーク/交響曲第6番 ♪ヤナーチェク/狂詩曲「タラス・ブーリバ」 クリストフ・フォン・ドホナーニ+クリーヴランド管弦楽団 (録音:1989年、クリーヴランド) ドヴォルザークの交響曲は、7番→8番→6番→5番→9番・・・といった順で愛聴しています。6番は中学時代の夏に出会いました。当時ドヴォルザークに狂っていた(笑)私は、冷房の無い自室で毎日2度も3度も繰り返しこの曲を聴きました。でも耳が未熟だったので「第3楽章がダサカッコイイ」とか「第4楽章がブラ2みたい」といった“面白味”を求めていたように思います。その後この曲に接する機会はあまり無かったのですが、最近久々に何気なくこのディスクを再生したところ、夏の草いきれの匂いと夕暮れの涼風が周囲を包むような感覚がして、やっとドヴォ6の真価に開眼した想いでした。 いくつか録音を引っ張り出して聴き比べましたが、このディスクがベストかなと思いました。そもそも、ドホナーニ時代のクリーヴランド管の音が好きです。特に硬く表現力に富むティンパニ!ドヴォ6では、例えば第3楽章のリズムが生命感にあふれ、第4楽章第1主題tuttiの乱打は大玉の花火のよう。 また、例えばチェコ・フィルやドイツのオケに比べると造形がタイトでクリアですが、決して淡白なわけではなく、ドホナーニらしいインテンポ基調の中で上品な歌い回しが光ります。想いに任せてテンポをいじると、この作品の筆致が弱くて田舎臭さばかりが際立ってしまいますからね。 6番は、7番以降に比べると作りが幼い箇所や省けそうな箇所が見受けられるのですが、逆に素直な情感が放出されて眩いばかりの瞬間を生むようにも思います。 第1楽章や第4楽章は、ブラームスが「1つのテーマを展開させるアイディアの宝庫」といった趣旨で評したドヴォの面目躍如といったところで、ドイツ音楽(ブラームス)の交響曲に傾倒しながらもめくるめく音楽の流れがスリリング。そのような“楽壇の王道”と“スラヴ・ボヘミア”の融合が魅力的なこの曲のバランス感と、ドホナーニの音楽作りは絶妙にマッチしているように思います。 第2楽章は、中間部の唐突な転調による悲劇的な表情が格調高く、柔和な第1主題との対比が鮮やか。第3楽章はスリムで運動性に富みますが、スタイリッシュになりすぎず土臭さを残し魅力的。 なお、カップリングの「タラス・ブーリバ」も見通しのよさと泥臭さを併せ持つ秀演です。このディスク、残念ながら廃盤中のようですが、そろそろ廉価BOXでドホナーニのドヴォルザーク作品集でも出してほしいところです。
by mamebito
| 2008-08-03 21:33
| 録音
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