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2018年8月15日(水)19:00~ 豊洲シビックセンターホール
ラ・ムジカ・コッラーナ ♪ヴィヴァルディ/弦楽のための協奏曲RV119、チェロ協奏曲RV417、リュート協奏曲RV93、ヴァイオリン協奏曲「ラ・ストラヴァガンツァ」 ♪J.S.バッハ/3つのヴァイオリンのための協奏曲 ♪コレッリ/合奏協奏曲Op.6-6 ヴァイオリニストの丸山さんやチェリストの島根さんら、若くして自在にピリオド楽器を操る名手を中心に結成されたアンサンブル、LMC。以前から気になっており、初めて拝聴することができた。 イタリアンカラーの自由闊達な演奏が信条のようで、前半のヴィヴァルディ4曲は団に適した作品なのだろう、舞台上での即興的なやり取りを通して一期一会の再現を楽しんでいる雰囲気が快かった。中でもチェロ協奏曲のソロを奏でた島根さんは巧く、リュート協奏曲のソロでおそらく客演された金子浩さんは、急くことなくじんわりと味わいあるカンタービレを爪弾いて印象的だった。 後半の1曲目に置かれたバッハは、少々散らかって平板な演奏に聴こえた。ヴィヴァルディのようなイタリアものに近い作り方をされたのではないだろうか、ソロが重層的で立体感のある音楽に聴こえない。多声部が並立する先のいっそうの絡み合いや、声部バランスのグラデーションへの配慮、といったものが聴こえた方が自分は好みだった。 その点、クライマックスに置かれたコレッリはこの日の白眉。ヴィヴァルディよりも昇華した歌謡性と洗練された楽曲構造が、LMCの生き生きとした表現のおかげで水を得た魚のように舞台上に蘇る。各ソロの皆さんも安定しており、美しい響きを保って演奏を閉じた。こういうアグレッシブな古楽器アンサンブルは、自分が子どもの頃は海外に頼るしかなかったことを考えると、日本の若い古楽器奏者の躍進が本当に目覚ましいことを実感する演奏だった。 豊洲シビックのホールは、講演会等で使う時にはガラスの内壁と外壁の間にあるブロックが閉じているが、この日は開放して海と夜景をバックに演奏が展開された。音響はシンプルで癖がなく、こうした作品を聴くには申し分ない。客席の傾斜はきつめで死角が少ないのもよい。演奏の途中、運河の近くで市民が上げた小さな打上げ花火がピカッと光ったりしたのも楽しい。上手く活用していきたい箱の一つだと思った。
by mamebito
| 2018-09-26 00:12
| コンサートレビュー
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