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2018年7月20日(金)19:00~ NHKホール
ユッカ・ペッカ・サラステ+NHK交響楽団 Vn.バイバ・スクリデ ♪シベリウス/アンダンテ・フェスティーヴォ、ヴァイオリン協奏曲 ♪ウェストホフ/ヴァイオリン・ソナタ第3番~第3曲「金の模倣」(アンコール) ♪ブラームス/交響曲第1番 ♪シベリウス/鶴のいる風景(アンコール) サラステが前回N響に客演した「クオレマ」抜粋は印象的だった。客演であの曲をあんなに繊細に神秘的に歌わせたマエストロの手腕とセンスに、トロントやオスロやラハティにいた頃の雰囲気(個人的には少々大味な印象を持っていた)とは一味違うものを感じた。2018のN響夏公演は、奏で倒された有名曲ばかり、でも今のサラステが振れば作品の繊細な側面や純粋な魅力に再び出会えそうな予感に期待して足を運んだ。 まずブラ1について。前向きでルバート僅少、颯爽として余情を挟む余地の少ない演奏だ。ブラームスの、ウジウジして煮え切らない中にロマンを醸す側面が、かなり削ぎ落とされていたのは好悪を分かつだろうが、自分はこういうスタイルも好みだった。時々、微かにユニークなくさびや松葉があって、その意図を考えているうちに演奏はサクサクと先に進んで置いていかれそうになるのはご愛敬(笑)。HrTpTbを効果的に鳴らすところは、マエストロが影響を受けた師匠の一人であるカラヤンを想起させなくもないけれど、それが突出せず煩すぎず、音楽の全体感を損なわないままスケールを増しているとこに、サラステの類まれなセンスを垣間見たように感じた。 ただ、やはりこの日一番心奪われたのはシベリウスだった。大きく振りかざして輝かしい弦楽合奏が拡がるアンダンテ・フェスティーボには終始心を奪われた。アンコールが鶴だったのも嬉しい。ブラームス以上に速いテンポの内から優しさが滲み、食後に油分を流して微香を残す鉄観音をコールドで頂いたような爽やかさを覚えた。N響でシベリウスを聴くならば、サラステで聴きたいと思う。エストニアのヤルヴィ親子のシベリウスは、悪くないんだけど少々独特で、ヴァンスカやサロネンやリントゥやサラステが奏でる演奏(もちろん彼らも個々に異なるのだけれど)とは何か僅かに違ってしっくりこないのだ。 しっくりこないと言えば、協奏曲のソロを奏でたスクリデ。巧いし、巧いだけではない表情の熱さのようなものも備えた素晴らしいヴァイオリニストだとは思うのだけれど、自分にとっては要らないところで力んだ表情が加えられたり、何か欲しいところを流し気味に奏でられたりする場面があった。
by mamebito
| 2018-09-24 00:01
| コンサートレビュー
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