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2018年 02月 10日
2018年2月9日(金)19:00~ かなっくホール カメラータかなっく ♪ハイドン/交響曲第103番「太鼓連打」、同第2楽章(アンコール) 徒歩1分足らずの関係にあるJR東神奈川駅と京急仲木戸駅、その中間に位置するかなっくホールの企画コンサート。1公演1作品を取り上げ、前半30分を演奏者による演奏付き曲目解説、後半30分を通し演奏で楽しむ。 カメラータかなっくはホール専属の室内オーケストラとの能書きだが、一部の固定メンバーを除くと都度召集される非常設のアンサンブル。在京楽団在籍者を含む優秀な若手が集っており、彼らとインタラクティブな時間を楽しみながら60分1,000円というのは財布にも嬉しい。当日ふらっと立ち寄れる気軽さもよい。 この日は、パーカッション奏者の篠崎史門さんがスーパーバイザー的な立ち位置で演奏会を取り仕切った。目に見える役割としては前半を司会進行し、見えない所では指揮者がいないアンサンブルに助言を与えているとのこと。氏の解説は、初めてハイドンと太鼓連打に触れるよりも少し馴染みのある鑑賞家に向けて、ベーシックな演奏者視点を付与しようという良心的なものだった。そしてトークのテンポ感と、他人に無茶振り(の振り)をする持って行き方が父上そっくりで微笑ましかった。 解説パートでは、まず「皇帝」第2楽章とドイツ国家の関連から、同旋律のクライスラーとヴィエニャフスキによる転用を紹介し、Tp協奏曲第3楽章の無茶振り(の振り)を挟み、あだ名の由来として「驚愕」第2楽章と「太鼓連打」冒頭を取り上げた後、異稿比較として「太鼓連打」第4楽章終結部の初稿と普及稿を聴き比べた。間で楽員の皆さんも発言する機会があったが、演奏は粒揃いの若者たちもトーク術にはまだバラつきが見受けられた。 本編の演奏は、篠崎さんがアドリブ風連打で開始。せっかく実験的演奏会なのだから、いつぞやの菅原さんのように思い切った創意を聴かせてほしかったところ。案外表現が大人しいのは、聴き進めるほどに演奏全体を貫く安全志向として顕在化していった。非常設アンサンブルが、交響曲クラスの複雑さを持つ音楽を、少ないリハ時間で形にするのだから仕方ないとは思う。オーソドックスな表現スタイルを選択することにも異議は全くない。ただ、アンコールにリピートなしで披露された第2楽章のように本編を演奏してくれたらよかったのに。 例えばメトロノーム的には同じテンポでも、本編は腰が重く、ハイドンに求めたい音楽の方向感が少々希薄だった。発音にもスピード感が足りず、スコアに備わっているはずの愉悦や機知が聴こえにくかった。また、例えば音譜が比較的容易なチェロは、所々ノンヴィブラートで音を張ったりヴィブラートで音を飛ばしたり、ちょっとしたトライを交えていたのだが、それらが単発に終わり演奏全体に波及しにくかったのももったいなく感じた。色々とやれば出来るポテンシャルが、アンコールにははっきりと表れていただけに。格安1,000円でここまで楽しませてもらっておきながら贅沢な注文だろうか(笑)。 #チケット表面には”曲目改題レクチャーコンサート”と誤記されていた。「太鼓連打」をどんな曲名に変えようか妄想してしまった(笑) ■
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by mamebito
| 2018-02-10 01:41
| コンサートレビュー
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