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尾高忠明+新日本フィルハーモニー交響楽団
Vc.山崎伸子 ♪グレイス・ウィリアムズ/シースケッチ ♪エルガー/チェロ協奏曲 ♪カザルス/鳥の歌(アンコール) ♪ウォルトン/交響曲第1番 ♪エルガー/エニグマ変奏曲~ニムロッド(アンコール) 数年前に日フィルへ客演した「ベルシャザールの饗宴」に感激して以来、尾高さんでウォルトンを聴きたいと頭の片隅で思い続けていた。念願の交響曲第1番を拝聴した。 件の交響曲は、ティンパニが大活躍する豪壮なカッコよさを再現しつつも、弦、特にヴィオラのカンタービレが優美だったり、木管の囁きが繊細だったり、この作品の多彩な表情を語りつくした出色の演奏だった。正直に申し上げると、硬く脆弱なホルンと、客演が支えるチェロパート(木越さんと柳瀬さんの1プルト)は物足りなかった。それを差し引くというのは妙な表現だけれど、それでも満足度が高かったのは、尾高マエストロが振るとアグレッシブな音楽の外形から格調と慈味が滲み出してくるからだと思った。 その魅力は、演奏機会の少ないグレイス・ウィリアムズでも同様に感じられた。一時期、弦楽合奏にハマって、優れた弦楽合奏作品が多い英国音楽を聴き漁ったことがあったが、彼女の作品にはこの日初めて出会った。師匠の一人、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズに似た雰囲気だが、ずっとえぐみが少なく優美な音楽だ。新日の弦の音色は本来滋味があって本格的、この日も作品に相応しく柔らかい純度の高い音色が好ましかった、何故か一人で音を張って突出していたコンマスを除いて…。 尾高マエストロと並びこの日心を奪われたのは、山崎伸子さん渾身のエルガーだった。華奢な体躯に楽器を傾けて構え、左手指の形を厚で潰してでも楽器を底から鳴らしきると、どんなオタマジャクシも疎かにしない強い意志を備えた音が届いてきた。最初に好きになったチェリストがシュタルケルだったからか、「姿勢を正して聴きたくなる」という美点を重んじる傾向があるのだけれど、山崎さんのチェロはまさにその類の演奏だった。また、常に温度があって、それはエルガーの作品にぴったりだった。さらにアンコールは、伝家の宝刀「鳥の歌」。世界情勢が穏やかならない昨今、この曲が特別な意味をまとわないことを願いつつ、全神経を傾けて鑑賞した。
by mamebito
| 2018-01-19 22:53
| コンサートレビュー
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