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2016年5月18日(水)19:00~ サントリーホール
クリスチャン・ヤルヴィ+東京都交響楽団 Vn.山本友重、双紙正哉 ♪ペルト/フラトレス、交響曲第3番 ♪ライヒ/デュエット、フォー・セクションズ 夏休みの宿題(演奏会の感想を掲載しきる)は未完に終わる。学生の頃のように叱ってくれる先生がいないかわりに、社会人の自分は4ヶ月半前の記憶を辿る厳しい現実に直面する(苦笑)。コンサートに何を求めているのだろう。忘れ難い感動の記憶を重ねたいのか、生音の一時の快感に身を委ねたいのか、無意識的な何かに動かされているのか。 平日の夜がたまたま空いた日に、ちょうど良い演目が開催された。大好きな都響で、ペルトを同郷のヤルヴィが振り、ライヒの日本初演作品もある。もっとも、ライヒは『WTC9/11』が音楽としても舞台芸術としても好みに合わなかった時から、警戒して接する作曲家になってしまった。1987年、現在からしてみればまだイノセントだったアメリカで、MTTとセンスをぶつけ合った時代の作品ならば、きっと素直に楽しめると思った。 予感どおり、『フォー・セクションズ』はセンスの光る瞬間が繋ぎ合わされた、粋なミニマルミュージックだった。全4楽章のうち3楽章までは弦・木管・金管・打楽器の4つのセクションが活躍する楽章が割り当てられており、終楽章はフルオーケストラで奏でられる輝かしいアップビートの繰り返しに恍惚となる。社会的メッセージに頭を痛めたり気持ちを重くすることなく、純粋にサウンドの美しさ、キレ、リズムの楽しさに身を任せることができた。 デュエットでは、舞台下手に山本さんと双紙さんが、上手に弦楽オーケストラが並び、カジュアルでビート感の強い音楽が奏でられた。ソロのお二人には、客席からも舞台からも喝采が。 前半のペルトは、米国のライヒと並んでみるとずいぶん湿っぽい音楽に感じられる。Sym3に自分は異教の宗教色を禁じ得ないのだけれど、これがオーセンティックに響くにはどういう演奏をすればよいのだろう?都響は大好きなオーケストラに違いないもの、ペルトの演奏はお行儀よく真面目なばかりで、言ってしまえばダサい印象を免れなった。その傾向は、ライヒでも見受けられたのだけれど、そちらは垢抜けた楽曲に助けられた感じ。そこで最初の問い、Sym3に聴くようなペルト独特の色調をライヴで体験する難しさに思い至ったのだった。名曲フラトレスは、都響の硬質な弦合奏が美しいものの、Vn後方プルトを中心に発音が曖昧すぎたし、Vc客演トップKさんのソロがヴィブラートたっぷりウネウネしていて、神秘性を著しく欠いたのが残念。
by mamebito
| 2016-10-02 22:51
| コンサートレビュー
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