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2015年12月17日(木)19:00~ サントリーホール
シャルル・デュトワ+NHK交響楽団 Org.勝山雅世 ♪コダーイ/ガランタ舞曲 ♪バルトーク/組曲「中国の不思議な役人」 ♪サン=サーンス/交響曲第3番「オルガン付」 2015年の聴き納め。自分のデュトワに関する思い出や思い入れを差し引いても、見事な名演奏だった。 小さい頃、レコ芸巻末ページでモントリオールとの録音速報を探すのが楽しかった憧れの指揮者、デュトワ。N響でのポストには、批判もあったみたいだし、万人受けする成果を残せず苦労されたとお見受けしていた。退任から約10年を経て、今やデュトワらしさを最も再現できる貴重な関係に発展したのではないかと思った。 ガランタ舞曲は、やや重かった楽団を煽って早期に点火させたマエストロに拍手。クラリネットの赤坂さんを始めとした管楽器のソロが巧いことは承知の上だったけれど、それ以上によく歌う弦のカンタービレに魅了された。特に1stヴァイオリン、N響ってこんなに美味しい音色だっただろうか?2年前に同じサントリーでデュトワ来演を聴いた時よりも、ずっと豊かで色彩があった。 役人は、2年半前のロイヤルpoとの来日公演よりも格段に鮮やかだった。何よりも、力み無く美音を開放するフィナーレの処理をはじめ、デュトワのサウンドそのものが随所で聴かれて感激。モントリオールとのコンビを最後に聴いたのは1997年3月、あの時のめまいと鳥肌をもよおす音響の贅を彷彿とした。 オルガン付も素晴らしかった。デュトワは、とかくエレガンスやラテンの乗り、言葉を変えれば表面的な美点で語られることが多いけれど、厳格な構成はより厳格に、深刻なテーマはより深刻に、透徹した演奏を追及するマエストロだと自分は思っている。この日のオルガン付も、表面的な鮮やかさやスペクタクルが目的にならず、その奥にある敬虔さや極美への憧れ・・・といったものが胸を打った。しかも楽員の皆さんは、信頼しきって各々のヴィルトゥオジティを発揮されているように見え、合奏や音程の美しさも極めた。初めて拝聴した勝山さんは、バランスと合奏感覚に優れたオルガニストと見た。著名な方でも、一部の音域が膨張して聴こえたり、発音がオーケストラとずれたり、オーケストラを塗りつぶしてしまったり、といった演奏に出会うことが多い。勝山さんはそのようなことが一切なく、自分の席で聴く限りはこれほどオーケストラとオルガンが一体化したオルガン付は初めて経験した。総じて非の打ち所の無い名演奏だったと思う。 マエストロは2年前よりも一段とお腹が出て、腕の稼動範囲は若干狭まった気はしたものの、運動量は豊富で変わらず若々しかった。あのデュトワが2016年で80歳なんて、ちょっと信じ難い時の移ろいを感じる。海外名門楽団と来日してくれるのも嬉しいけれど、今やN響と奏でる12月が最もマエストロらしい音楽を聴けるのではないだろうか。これからもお元気で、毎年の来演を大切に味わいたいと思った。
by mamebito
| 2016-01-03 02:48
| コンサートレビュー
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Comments(1)
Commented
by
desire_san at 2016-01-05 09:36
新年おめでとうございます。
よき新春をお迎えのことと、お喜び申し上げます。 新年にちなんで京都の舞妓さん、芸妓さんの写真をアップしました。 合わせてマーラーの交響曲3番を生演奏で聴いた感想を書いてみました。 ご笑覧いただければ幸いです。 本年もよろしくお願い申しあげます。
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