タグ
レビュー(602)
オーケストラ(412) LFJ(76) ピアノ(62) 室内楽(58) アマチュア(52) チェロ(50) 都響(44) 弦楽四重奏(44) N響(36) CD(35) 東響(28) 新日フィル(26) 交響曲(23) ヴァイオリン(19) 以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
お気に入りブログ
外部リンク
記事ランキング
検索
最新の記事
ブログジャンル
|
2015年11月26日(木)19:00~
東京オペラシティコンサートホール オッコ・カム+ラハティ交響楽団 ♪交響曲第1番、第2番 ♪組曲「テンペスト」第2番~第6曲「ミランダ」 ♪行列 ♪「ペレアスとメリザンド」~間奏曲 思い入れのあるラハティ響が、シベリウス生誕150年の2015年に、クレルヴォは除くものの交響曲チクルスを演奏しに来日してくれた。これを機にオペラシティの会員になり、全公演を気に入りの定席で抑え、職場の予定表には早くから定時退社を宣言・・・という熱の入れ方で臨んだ。全公演を通して、その熱さに見合う満足は正直なところ得られなかったが、これはこれで好いシベリウスを聴けたことには違いなかった。 まずは初日の感想から。円やかな音色とほのぼのとしたカンタービレが心にしみるシベ1だった。ヴァンスカ時代の、透徹した合奏美を期待していたファンはガッカリしたと思う。当時に比べると、様々な点で精度が甘く、違う楽団だと言われても疑いようがない印象に変わっていた。ただ、それはそれでローカルな好い味を醸し出していた。第2楽章のカンタービレは、彼らの本拠地シベリウス・ホール周辺の、平らな湖と森を背景にアアルト風デザインの集合住宅が点在するのんびりした景色を想起させた。第4楽章も、1つ1つの表現が「こういう意味だったのか」とクッキリ伝わる瞬間の連続。言葉よりも言葉らしい演奏、あるいは音符が音符以上に体に入っている演奏、とでも言うのだろうか。第3楽章など、所々で金管楽器のバランスが硬く強すぎるように感じたものの、作品を自家薬籠中にしているオーケストラによるシベリウスの醍醐味を聴けたシベ1だった。 これに比べると、シベ2は夢から覚めてしまったような、少々精細を欠く演奏に留まった。頭の中に、シベリウス・ホールで聴いたサラステとの2番が残っていたからかもしれない。スコアを虚飾を廃して再現するとこうなるのかもしれないが、それ以上に輝くものや沸き立つものがなく、残念ながら凡庸な印象を否めなかった。最も残念だったのは第2楽章冒頭の低弦ピツィカート。ラハティで聴いた時は、驚異的な一体感と神秘的な奥深い響きに固唾を呑んで引き込まれたけれど、この日はズレていないだけであって、それ以上の神業も深奥も垣間見ることはできなかった。 アンコールは3曲振舞われた。2曲目の「行列」は初めて聴き、シベリウス小品群の奥深さを思い知った。締めくくりにペレメリの間奏曲を聴けたことも嬉しい。それにしてもカムさん、アンコール前に舞台へ向かって曲名をアナウンスしてくれるのが聴き取りにくい。1曲目は“ミランダ”と仰ったのだろうけれど“フィンランディア”に聴こえたお客さんが多かったようで、アナウンスに対して「おおー」とばかりの喝采が湧いたものの、奏でられたのはなかなかの渋い選曲。客席には肩透かし感がいっぱいに溢れたのだった(笑)。
by mamebito
| 2015-12-28 21:05
| コンサートレビュー
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||