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2015年5月15日(金)19:00~ サントリーホール
下野竜也+日本フィルハーモニー交響楽団 ♪黛敏郎/フォノロジー・サンフォニック ♪林光/Winds ♪三善晃/霧の果実 ♪矢代秋雄/交響曲 この2日後の日曜日に、矢代の交響曲を弾かせて頂く機会があった。このような作品を、演奏する同時期に、しかも初演したオーケストラの演奏で聴ける機会は珍しく貴重だ。休憩時にホールへ到着、何とか目当ての矢代だけ拝聴することができた。 邦人作品には詳しくないのだけれど、自分が知る範囲で、矢代の交響曲は格別に好きな作品だ。検索すると、メシアンの影響が色濃くて少々二番煎じとか、若書きで冗長だとか、突っ込み所があるのだろうか、名曲ながら武満や細川のような世界的市民権までは得ていない。伊福部や外山のようなエキゾチックピースとしての人気も今一歩だ。だから、個人の嗜好に合致しただけなのかもしれないが、透徹した響きも構成の洗練も内包するエスプリとパッションの密度も・・・日本発の作品の中で群を抜いていると思うのは私だけだろうか。 日フィルが日本の作曲家に委嘱するシリーズの第1作として、1958年に初演された作品。その初演楽団で下野さんが振るというので、期待が高すぎたのだろうか。共感溢れて熱狂するとか、作品の新しい側面を発見するような、特別な演奏会にはならなかった。第1楽章は音の立ち上がりが重く、必要以上に茫漠としていた。第2楽章は慎重すぎて、設定した速めのテンポの割に迫り来るものがなく表面を撫ぜるよう。ただ第3楽章、アルトフルートとコールアングレのソロが美しくも攻めていて、これに点火されてかオーケストラ全体に熱が入り始める。ほぼアタッカの終楽章は、Allegroからのマエストロの畳み掛けが執拗でありながら、合奏の整理整頓がクッキリしていてお見事。金管打楽器の加勢を仰いで鮮やかなクライマックスを築き、客席からは賛辞のブラボーが複数こだました。 初めてLiveで聴く矢代の交響曲は、やはり惹きこまれるいい音楽だった。打楽器のグラデーションが多彩で木管のソロも重要だからフランスの名門か、フィラ管のような米国の腕利き楽団の演奏で、聴いてみたい。どなたか、ぜひ!
by mamebito
| 2015-06-16 00:40
| コンサートレビュー
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