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2014年4月17日(木)15:00~ ハクジュホール
Vc.ウェン=シン・ヤン Pf.占部由美子 ♪シューマン/民謡風の5つの小品集 ♪フーバー/無限への転移 ♪ショスタコーヴィチ/チェロ・ソナタ ♪ブラームス/6つの歌~第2番「野の寂しさ」(チェロ編)(アンコール) 最近、ハクジュで隔年聴いているウェン=シン、今回は2年続けての拝聴となった。昨年は無伴奏チェロの美質の贅に浴したが、キャラクターが異なる3作品による今年のショート・リサイタルも、彼のエクセレンスをたっぷりと味わえる濃密な演奏だった。 圧巻だったのがショスタコーヴィチ。今までLiveで聴いた中で、最も完成されて最も楽器のポテンシャルが全開した演奏だったように思う。一時期、主にコンチェルトで、ディスクで聴き親しんだ驚異的巧さが影を潜めた印象を持ったのだけれど、それは偶然だったのかもしれない。この日のウェン=シンの切れ味は鮮烈で、しかも楽器の鳴りが深く、ショスタコーヴィチを刺激によって聴かせるようなアプローチとは一線を画した。また、ピアノの占部さんはミュンヘンで度々共演経験がおありとあって、ウェン=シンのアゴーギグにピタリと合わせるし、高いテンションでも上品な冷静さを失わないところなど、親和性の強いデュオ演奏を聴かせてくださった。冒頭のシューマンでは、お二方ともショスタコーヴィチより一回り小さな、それゆえに柔らかく内省的な表現が聴かれた。 今年90歳になるスイスの作曲家フーバーの無伴奏作品を演奏する前には、ウェン=シンがあの明瞭な英語で解説を加えた。プログラムノートの内容と重複は多かったものの、鍵盤でBACHやDeSCHの和音を聴かせて示してくれたり、有意義なショートレクチャーだった。演奏はチェロの様々な特殊奏法のお手本集とでもいった様相だが、その1つ1つが極めて洗練されて美しかった(特にこの作品で多用される駒の下を弾く音色の冷ややかさ!)。こうした特殊技術を、珍しさや刺激を超越した美観で楽しませてもらえる演奏は滅多に聴けないだろう。 ハクジュのワンダフルoneアワーは何度かお邪魔しているものの、15時の回は初めてだった。半分程が空席で雰囲気がほんわかしており、当日券で最前列中央が空いているなど、いかにも平日日中の雰囲気とおトク感(笑)を味わえたという意味でも、興味深く貴重な1時間だった。
by mamebito
| 2014-05-20 22:11
| コンサートレビュー
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