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2013年9月27日(金)19:00~
日本福音ルーテル東京教会 B-Ob.トーマス・メラナー Rec.宇治川朝政 B-Vc.懸田貴嗣 Cemb.福間彩 ♪テレマン/トリオ・ソナタ TWV42:F15、TWV42:Es3 ♪J.C.F.バッハ/チェロ・ソナタ ト長調 ♪テレマン/トリオ・ソナタ TWV42:e6、リコーダー・ソナタ TWV42:d4 ♪キルンベルガー/オーボエ・ソナタ 変ロ長調 ♪テレマン/トリオ・ソナタ TWV42:F15~Largo、TWV42:A2~cantabile(アンコール) BGMで何気なく聴くことが多い作曲家がいる。テレマンは、私にとってその代表の一人だ。 テレマンの作品を軽んじているわけではない。むしろ欠かせないと思っている。ちょっと疲れて取り戻したい時、腰を据えて片付ける時、長時間の移動の時・・・「ふと手に取りたくなる」音楽の1つがテレマンだったりする。もし無くなってしまったら、J.S.バッハほどクリティカルではないにしても、テレマンを聴けない生活というのもなかなか味気ないと想像する。 そんなテレマンのトリオを、バロックの世界的名手の方々が、自分の生活圏内の教会で演奏してくれる。作品とシチュエーションが理想的にマッチした、快い一晩になった。 メラナーさんのオーボエは、音色が太くて、清澄なサウンドよりも含蓄ある言葉のような印象。タンギングが力強く、発音がグイと立ち上がる感じが質実でとてもいい。f15・e6・c2で木管ツートップを吹いた宇治川さんは、以前アンサンブル・レ・ナシオンの同教会公演でFlの菅さんにピタリと添うたように、この日のメラナーさんとも一体のようによく馴染む。一人でソロを張る以上に、技術達者で耳が良くないとこんな風に合奏できないだろうなあと、耳を傾ける。もちろん、一人で旋律線を紡ぐd4でも、軽快な運びの裡にd-molのもの哀しさが滲み美しい。 全曲を支えた、というのは語弊があり「主導した」と言うべき、通奏低音のお二人も磐石。加えて、大好きなチェリストの一人である懸田さんはJ.C.F.バッハの珍しいソナタを弾いて下さった。1732年生まれ(プログラム冊子には“1723年生”とあったけれど・・・)のヨハン・クリストフ・フリードリヒ。初めて聴いた2楽章構成の佳作は、大バッハよりも柔和で牧歌的。私の記憶の限りで言うと、イタリア旅行の影響を受けた辺りのモーツァルト作品に感じるような朗らかさが印象的だった。文字通り埋もれた佳作たちを、発掘して鮮やかな演奏で蘇生させる、懸田さんの活動は刺激的で興味が尽きない。この日も、テレマン中心のプログラムに素敵なアクセントが効いていた。 長椅子長机の客席は1/3程度の入り。もちろん満席に越したことはないけれど、空間がたまたまこの規模の教会だっただけで、前方中心に集まった聴き手と演奏者の皆さんとの親密な雰囲気は、存分に充実したコンサートを形作っていたと思った。
by mamebito
| 2013-10-27 23:35
| コンサートレビュー
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