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2013年6月8日(土)15:00~
上野学園石橋メモリアルホール 鈴木秀美(Vc)+オーケストラ・リベラ・クラシカ ♪ハイドン/チェロ協奏曲第1番、交響曲第4番、交響曲第87番、交響曲第77番~第2・第3楽章(アンコール) OLC久々のハイドンを聴いて、僭越を承知で正直に申し上げて、浜離宮の頃に比べて格段にハイレベルな楽団になったなあと、思ってしまった。メンバーの皆さん個々人のご活躍を考えれば当たり前と言われるかもしれない。ただとにかく、東京に暮らして定期的に最上級のハイドンを聴ける有難さが身に沁みた公演だった。 いずれもTpやTimpを含まない編成で、ガットの響が下支えする表情豊かな音楽が耳に美味しい。フレーズ1つ1つの終端に向かって、微妙に色味や温度を変えながら展開していく。それはイチイチ楽譜に書いたり決め事をしても生まれない類の音楽。共通言語としての高度な演奏様式をメンバー皆が備えていることを基礎に、即興的なひらめきや即応する力が、良い意味でその場限りの音楽を作り出している・・・ように聴こえた。 浜離宮時代もエクセレントなハイドンを聴けたけれど、自分にはどこか予定調和で、“深入りすることにまだためらいがある二人”みたいに聴こえることが多かった。それが、第26回オックスフォード辺りからだろうか、腹の底から声が出るような表現に圧倒されることが増えた。そして、しばらく振りのハイドン尽くしで上述の感想の通り、である。 パリSym87番は、作品自体の趣向も相まって華やぎがある。オーボエ氏はリードが少々きつかったかのだろうか、顔を真っ赤にして鳴りが伸びきらず苦しそうだったけれど、方や菅きよみさんが柔らかくも存在感抜群の一人横笛で演奏に幾多のニュアンスを生み出していてお見事。ハイドンの初期作品は洗練を極める。この日の4番も最小限の音符で清冽な響を造りながら、ユーモアのスパイスもしっかり香らせていく。終楽章(全3楽章)のメヌエット、ここでは秀美さん+OLCの面目躍如。絶妙のテンポで上品に揺れながら、馥郁としたガットの響きでホールを満たしたのだった。 秀美さんのチェロ協奏曲は、ご本人納得の演奏ではなかったかもしれない(そもそも今まで一度も納得などしたことない!かもしれないけれど)。でも、氏を憧れ尊敬するファンとしては、この日はシャツのボタンをちょっと掛け違えたぐらいのことであって、氏のボウイングから紡がれるガットが喜んでいるような響きに絶妙な間合い・・・等々を耳にするだけで、目にも耳にも嬉しかったりする。7/5には、しらかわホールで再び第1番をプログラム冒頭で弾き振りされる。お相手は名フィル。
by mamebito
| 2013-06-29 00:57
| コンサートレビュー
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