タグ
レビュー(602)
オーケストラ(412) LFJ(76) ピアノ(62) 室内楽(58) アマチュア(52) チェロ(50) 都響(44) 弦楽四重奏(44) N響(36) CD(35) 東響(28) 新日フィル(26) 交響曲(23) ヴァイオリン(19) 以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
お気に入りブログ
外部リンク
記事ランキング
検索
最新の記事
ブログジャンル
|
2013年4月29日(月・祝)14:00~ 東京芸術劇場
飯守泰次郎+新交響楽団 ♪R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」、 「薔薇の騎士」組曲 ♪ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」 前回定期で粘り強くて壮麗なブルックナーを構築した新響さんと、このところ聴く度に当たり連発の飯守マエストロ。期待高まるコンビによる公演だったのだけれど、かといって単純に行かなかったのは、この日の曲目の難しさにあったのかどうか。 『ドン・ファン』は、中間部のオーボエが、作品に似つかわしい哀愁や憧憬を湛えて素晴らしく歌うことに感激。作品全体のテンポ感も颯爽としてカッコよかったのだけれど、オケの鳴りが芳しくないことと、オーボエ以外の楽器で思わぬ傷や濁りが少々目立つことに「おや?」と思った。『薔薇騎士』前半も同傾向で「おやおや?」と思っていたところ、さすがは新響さん、薔薇騎士後半ではだんだんとリヒャルトらしい香りが、主に弦の響きに備わってくる。中間部の歌い込みはたいへん盛り上がり客席が引き寄せられる雰囲気を感じた。最後のワルツでは、マエストロは左手を腰に構えて珍しく足を鳴らし、ブンチャカした賑々しさを存分に描き出す。楽団も豊かに鳴り、いかにも劇的で楽しく、喝采をさらった。 ところが、後半の『田園』はどうしたことだろう。語弊を恐れずに言うと、何もなくなってしまった感じ。オケ全体が守りに入って聴こえ、それが災いしてか思いもよらぬ傷が散発する場面もあった。個人的に、ベートーヴェンの交響曲で6番は最も魅力を理解できていないので、もしかしたらこの日のスタイルを良しとする向きもあるのかもしれないけれど、少なくとも私には難しかった。 マエストロのベートーヴェンは本来もっと凄いものだろうし、新響さんは本来もっと凄い楽団であることは間違いない、と思っている。リハーサルではもっと素晴らしい瞬間があっただろう片鱗は垣間見えたし、本番が思い通りにならないことは第一線の職業楽団でもあるわけで。古典モノやロマン派前期ぐらいの作品は技術以上の難しさがあるし、アプローチの多様性も増してきて、一筋縄二筋縄では行かないものだなあと、改めて思った。
by mamebito
| 2013-05-09 23:28
| コンサートレビュー
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||