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2013年3月14日(木)19:00~
東京オペラシティコンサートホール ミハイル・プレトニョフ+ 東京フィルハーモニー交響楽団 Pf.小川典子 ♪ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番、交響曲第2番 プレトニョフの音楽造りは何かと肌に合う。ピアニストとして、小気味よい古典物や洗練された叙情が光るグリーグを愛聴した。指揮者として、ロシア・ナショナル管とのチャイコフスキー交響曲はもちろん、スラヴ舞曲やシチェドリンのカルメン等々、どれも鮮やかで繊細さも備えながら、ズシリとした手応えにも事欠かない、バランスに優れたものだった。 この日のラフマニノフは、20年近く前のフレッシュな録音よりも良い意味で巧妙な、より懐深い音楽造りだったと感じた。いわゆるロシア的な力強さを前提にしつつ、冷静に管打楽器を引っ張り出したり引っ込めたり(特に上手のホルン)しながら、作品の多相を描き出していく。第1楽章のルバート、第2楽章のアッチェレランド等、よく聴く演奏とは異なる裁き方が新鮮。第3楽章は十分に歌い込むものの、感傷や甘美では片付けられない、月並みな表現だけれど映像で知るロシアの大地を思わせるような深い憧憬も感じさせて、胸に迫った。終楽章はギリギリまで切迫したスピードでテンションが高い。そういえば、チャイ2や4の終楽章も快速ですっ飛ばしていたっけ、プレトニョフ。荒井コンマスとパパ三浦さん率いる東フィルも好調と見えて、そのような一筋縄では行かない音楽に献身的に添い、深みのある音色で応えていたと思った。 昨年、藤倉個展のトイピアノが素敵だった小川さん、この日も情に流れず堅実な演奏に聴こえた。プレトニョフと楽団は、もう少し流れよく粘度の低い音楽を作ろうとしていたように聴こえ、毎度ピアノとオケの集合点で両者歩み寄りながらの共同作業に聴こえたのはご愛嬌。大船に乗った心地で、つい気持ちよくウトウトと・・・。 それにしてもプレトニョフのタクトって、あんなに動きが少なかっただろうか?足はほとんど直立したまま、テンポを刻むことはほとんどなく、フレーズを何小節も大きく掴んで始点と終点をグッと示すような。その反面、珍しく腕を大きく広げたり鋭く突いた時に、想像を超えた情感の起伏やアタックが導き出されていたように思った。映像で知るムラヴィンスキーがもうちょっと動いたらこんな感じだろうか。
by mamebito
| 2013-04-19 23:54
| コンサートレビュー
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