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2012年9月9日(日)15:00~
横浜みなとみらいホール 小泉和裕+神奈川フィルハーモニー管弦楽団 Sop.山田英津子 ♪山田一雄/序曲「荘厳なる祭典」、 もう直き春になるだらう、日本の歌 ♪ショスタコーヴィチ/交響曲第5番 みなとみらいホール(池辺晋一郎館長)の企画「グレート・アーティスト・シリーズ」第1回。横浜に住み、最晩年は神奈フィル音楽監督のポストにあったヤマカズ氏が取り上げられた。ホール3階では木之下晃氏によるヤマカズ氏の貴重なショットを展示、ホール全体で地元の音楽家を振り返るコンセプトに共感を覚えた。ニッチにフォーカスした自主企画、財政面の支援とファンの動員がなければ立ち行かなくなるのは必至だ。企画の篤い志が継続できるとよいのだけれど。 この日の演奏で最も心揺さぶられたのは、ヤマカズ氏のご息女、山田英津子さんによる歌だった。幸運にも昨年10月に両曲(春、日本の歌)を共演していただいた。だからクールな耳で聴いた感想ではないかもしれないけれど、私にはものすごく魂のこもった演奏に感じられた。父上の代表作、当然特別な想いやプレッシャーをお感じだろうけれど、それを力に変えるような覚悟や気概が立ち姿から伝わってきた。正確な音程の心地よさや柔らかな声色の美しさに加えて、一音一言もおろそかにしない歌唱に凄みすら感じた。日本の歌では繊細なささやきからホール全体に届くffまで、幅広い表現にも瞠目。楽団のバックも、冒頭の序曲の時より高い集中力が伝わってきて、やや淡白ながら精緻な好演に拍手。両曲とも色彩豊かで簡潔な、もっとコンサート・プログラムを飾って然るべき作品であることがよくわかった。 休憩後、池辺館長と木之下氏の爆笑トーク(+山田夫人)を挟んで、小泉氏がヤマカズ師匠から薫陶を授かったと言うショスタコがメイン。なぜ全曲ヤマカズ作品ではないのか?という突っ込みは置いておくとしても、メモリアルの盛会を期すにはあまりに緩い演奏だったのでは・・・。おそらく、前半曲目に多くのリハを割いたのだろうし、客演コンマス三上さんをはじめエキストラ・オケの様相を呈した陣容でもあって、苦しい台所事情は想像に難くなかったが。ふと、20年近く前にTVKで観た、岩城宏之さんが神奈フィルを振った同曲の放映を思い出した。あの時の、鈍くて外しまくる傷だらけの演奏ほどではないにしても、聖響さんとのマーラーで好調に感じられた楽団の姿はどこへやら。本当はもっと実力ある楽団だと思うんだけれど、今の神奈フィルさんは。 この企画、このように邦人作品を取り上げていくのならば、苦しい中でプロオケの皆さんを雇うより、プロアマ問わず企画に対して公募をかけ、報酬は安価でも時間を割いて心を込めた演奏をできる楽団に任せるというのも、(難しいとは思うけれど)面白いのではないだろうか。
by mamebito
| 2012-09-29 23:42
| コンサートレビュー
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