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2011年10月19日(水)19:00~
ティアラこうとう(小) Vc.松本ゆり子 Cb.寺田和正 ♪テレマン/二重奏ソナタ第2番 ♪J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番 ♪バリエール/ソナタ ♪ルドウィン/ハッピーバースデイ変奏曲 ♪ドラゴネッティ/チェロとコントラバスのための二重奏曲 ♪ロッシーニ/チェロとコントラバスのための二重奏曲 ♪童謡「赤とんぼ」(アンコール) ♪「無伴奏チェロ組曲第1番」プレリュードによる創作(アンコール) お世話になっているチェリストの一人松本さんと、横浜シンフォニエッタ等でご活躍のCb.上田氏によるデュオ。後半はトークも挟み上田氏がリードするサロン・コンサートの様相に。初めて訪れたティアラ小の140席は、演奏者の知人が多くを占めた様子。 お二人とも太めで質実な音色をお持ち。特にVc.松本さんは、バッハを聴いている内に同作品のミロシュ・サードロによる名録音が想起された。あそこまでギシギシした音色(笑)ではないけれど、おそらく上2弦にヤーガーを張った艶消しのスチール・サウンドは、“ネオいぶし銀”とでも言えそうな味わいがあり魅力的だった。しかも音程は安定して心地よいし、飛ばしは一音一音身が詰まりエッジがキリリと立つし、美しい技術のオンパレードは私のように手の小さいアマチュアVc弾きにとって恰好のお手本である。 お二人に共通したのは音の佇まいに加えて、カンタービレが豊かなことと絶妙の「間」をお持ちでいらっしゃること。バリエールやロッシーニでは、伸びやかでありながら末端まで身の詰まったメロディラインに心躍った。また、自然なザッツや掛け合い、リピート記号を跨いでdur→molに至る前の空気の変化等々、室内楽の妙味を楽しむことができた。 新しい作品との出会いも興味深かった。ルドウィンは、有名な誕生日ソングの旋律を10人の作曲家を模して変奏曲にしたコントラバス独奏のお遊び作品。上田氏は一変奏ずつ「誰の真似」と解説を加えてからオーバーアクションで演奏、関係者の笑いを誘った。19世紀稀代のCb奏者ドラゴネッティの二重奏は、出版もされていないレア・レパートリーとのこと。国内外にまだまだ星数ほど未知の楽曲があり、さらに新作が生まれていることに、音楽の世界の広さを改めて感じた。 正直なところ、上田氏の漫談(ご自身談)や演出はあまり好みではなかった。時々どうしても嗜好の相違に出会ってしまうことはあるわけで仕方のないこと。とはいえ、希少な低弦デュオのレパートリーを聴けたことは間違いなく貴重で、鑑賞の視野を広げる好機となったことに素直に感謝。
by mamebito
| 2011-10-22 00:53
| コンサートレビュー
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