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![]() アラン・ギルバート+東京都交響楽団 Vn.フランク・ペーター・ツィンマーマン ♪ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 ♪ベルク/ヴァイオリン協奏曲「ある天使の想い出に」 ♪J.S.バッハ/無伴奏Vnパルティータ第2番~サラバンド(アンコール) ♪ブラームス/交響曲第1番 ブラ1は個人的に秋の印象が色濃すぎて、暑苦しい季節にはあまり聴く気がしないのだけれど、今年の梅雨~盛夏は立て続けて名演奏との出会いに恵まれた。 その極め付けがこの日のギルバート+都響。2010年11月インバルとの豪演に通じる覇気と威容に加え、衒いのないアプローチがたいへん清々しい快演を生んだ。ギルバートのブラ1は至って正攻法。少し特徴的だったのは、2音をスラーでつないだ音型でしばしば強拍を強調しスイング感を出したことぐらいか。一切誤魔化しのない真っ向勝負だ。 第1楽章は、楽団にインバルの時と同様の推進力が満ちていた。第2楽章では、Ob.広田さんがいつにも増して格調高く豊かなカンタービレでホールの空気を一変させたし、コンマス矢部さんのsoloも美しさを極めて見事。第3楽章は行間に秋風のような含意があり琴線を揺らす。第4楽章、古典的様式間を感じさせながら躍動する音楽運び。決して大熱演ではないのに会場が圧倒的に盛り上がったのは、コーダ後に頂点を持ってくる緻密な構成の成果か。フィナーレ数小節は、ズシリと手応えがありながら音色がたいへんブリリアントで、しかも一糸乱れず混濁のない驚異的な美しさに至った。思い起こせば、前都響シェフのデプリーストは就任時の抱負として「フィラ管のようなオケにしたい」と述べたとか…誤解を恐れず言えば、この日の充実したフィナーレの響には、何度か同様の席で耳にしたフィラデルフィア・サウンドに極めて近い印象を覚えたのだった。 ハイバリは1stVn12型にCb4本の中編成。繊細なニュアンスが求められる管楽器を塗りつぶすことなく弦を伸び伸び歌わせるバランスと思われた。ただ、それはソリスティックでパワフルな欧米の弦ならば妥当かもしれないが、マスで勝負する都響の弦だと少々物足りない部分もあり一長一短。音楽運びは前向きで極めて快適。フィナーレ冒頭、Vc裏パート3人(1プル松岡さん)がpをmfぐらいでたっぷりと歌った瞬間が最高に音楽的でしびれた。 また、桁違いの高みを聴かせたのがツィンマーマンのベルク。類稀なヴァイオリニストだとは存じていたが、初めてライヴで聴く氏の表現の多彩さ、深さ、音色の求心力(特にヴィブラート!)は驚異的なものがあった。こういう音楽を前にすると、具体的に伝える言葉をいつも以上に失ってしまう。敢えて述べれば、音色の純度が極めて高いのにニュアンスが豊富で、音は大きくないし太くも無いのにオケに埋もれることなく存在感が強い…一見相反する特徴が共存するような印象。都響はブラームスも充実した響を奏でたが、楽団の緻密な合奏美や音色感はベルクの方により自然に合致していたと感じられた。 それにしてもギルバート、N響に参じていた頃とは比較にならないほどの自信と深みを備えられたように感じた。今回の来演は全くのスポットなのだろうか?フライヤー等記載の表向きの事情はさておき、ポスト・インバルなり首席客演なり何かしらの形で都響と共演が続くことを願いたい。今回、外から聴く限り、両者は音楽的に合っているように感じられたから。
by mamebito
| 2011-07-24 23:12
| コンサートレビュー
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Comments(2)
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フィンランド&スウェーデンは涼しそうですね。でも食べ物はやっぱり大阪でしょうか(笑)
ギルバートとは知り合いでも何でもないのに、彼が日本で好評だと聞くとうれしくなってしまいます(笑) 他のオケを指揮した彼の演奏も聴いてみたい気がします。 来期NYPのおもしろプロとしては、FPZ&NYPメンバーとのオール・ブラ、弦楽六重奏曲でギルバートはなんとVa! それからMagnus Lindberg、Matthias Pintscherとのトリオでシュトックハウゼンのグルッペンなど。どんなことになるのか楽しみです。 ちなみに私の次回遠征はベルリンになりました。ラトル指揮の死者がお目当て(笑) それから女狐もついてきます。どんだけヤナ漬け(笑) ついでに未踏のハンブルクに足を伸ばしてみるのもいいかなと思っています。北国の初冬の海に出会う旅。とっても涼しげ(笑)
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>でも食べ物はやっぱり大阪
→まさに!(笑) いや、9/8のイェテボリ響シーズン・オープニング(デュダメルでマラSym7)をクライマックスに毎晩音楽鑑賞の旅を企んだものの、チケッティングが極めてリスキーな事情がわかってきて、おじゃんになりそうです。。 代替プランとして同時期、ウィーンでムーティ+シカゴ響2プログラムやティーレマン+ドレスデンのブルSym8も聴けるたりするのですが、ウィーンでVPOを聴けないのも寂しいかなと…結果、今夏はおとなしく京都・大阪・福井で音楽+美味の旅に落ち着きそうな様相です。 さて、TMさんの遠征は初冬のドイツですか!ハンブルクは凍み入りそう…でもブラームスの叙情ですね。一級のヤナーチェクを何ヶ月かの間にまとめて聴き機会は貴重なはず、相乗して素敵な発見があるといいですね! あと、ギルバートのNYとの関わり方を興味深く拝見しました。音楽監督ってそういう親密さがありますよね。いま日本で実現できているのって、大阪の大植さんぐらいじゃないかなと。そういう意味でも、監督ラストシーズンの「大阪クラシック2011」は体験しておきたいなと思ったりします。
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