タグ
レビュー(602)
オーケストラ(412) LFJ(76) ピアノ(62) 室内楽(58) アマチュア(52) チェロ(50) 都響(44) 弦楽四重奏(44) N響(36) CD(35) 東響(28) 新日フィル(26) 交響曲(23) ヴァイオリン(19) 以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
お気に入りブログ
外部リンク
記事ランキング
検索
最新の記事
ブログジャンル
|
2011年5月8日(日)14:00~ 東京文化会館
飯守泰次朗+新交響楽団 Vn.松山冴花 ♪芥川也寸志/弦楽のための三楽章~第2楽章 ♪ブラームス/大学祝典序曲、ヴァイオリン協奏曲 ♪ドヴォルザーク/交響曲第7番 本拠地芸劇改修に伴い久々に東京文化で開催された新響定期。重量級のプログラムを力強く張りのあるサウンドで描き、最近では第210回のマラ7に次ぐ手応えある演奏だったと感じた。 まず特筆すべきはVn協奏曲だろう。松山さんは冒頭から気持ちの伝わる本気モード。例えば庄司さんと比較するならば、音程精度やカンタービレの深みは譲るけれど、良い意味で割り切りがよく、細部にこだわり過ぎず全体を有意に流していった。昔聴いたK久保T紀さんのようにどこもかしこも丁寧に歌い込んだら、耽美過剰で刹那的な全体感のない音楽になってしまう。その逆を行く自然で、しかし巧みに取捨選択されメリハリの効いた音楽作りをとても潔く感じた。 楽団もソリストに引っ張られるように、尻上がりに音色に熱がこもってくる。Vnパートはここ数回の内で特に達者だったのではないだろうか。第2楽章、Obを中心とした木管合奏も表情豊かでお見事。 ドヴォ7は楽団のアグレッシヴな直向さが全開。東京文化のややデッドなアコースティックもあってか、太筆による豪快な書のごとく、小細工を弄さず芯の強い音楽が展開した。それは両端楽章で、平たく言えばたいへんカッコイイ響きに結実していた。他方、第2楽章のカンタービレは衒いがなく清々しい。スケルツォは決して重くなく、忠実な音量記号の再現によりモタついたり飽和することなく巧みに捌かれた。総じて飯守氏のカラーが色濃く反映。最終的には細かい事をあまり気にせずより深い表現を目指すマエストロらしく、小さくない傷もあったけれど、言葉にならない威容と熱さを備えたいかにも音楽的な再現となった。 冒頭、震災被災者追悼のためにトリプティークの緩徐楽章が呈された。Gアリ→黙祷に辟易していたので、楽団創始者のそれらしい作品をシンボリックに用いたセンスに拍手。コンサート冒頭から静謐に始める難しさは感じたものの、心意気の伝わる演奏を有難く堪能した。
by mamebito
| 2011-05-17 03:18
| コンサートレビュー
|
Comments(1)
|
ファン申請 |
||