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2011年4月28日(木)19:00~
東京オペラシティコンサートホール 阪哲郎+東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 Vc.遠藤真理 ♪ドヴォルザーク/チェロ協奏曲、交響曲第8番 ♪ビゼー/「アルルの女」組曲第1番~アダージェット(アンコール) 彫りの深いドヴォ8だった。民族色よりもドイツロマン派色が勝った正攻法のアプローチ。阪さんの音楽は、過度なアゴーギグやデュナーミクがなくシンプルでいい。その上で、やりたいことが明確と言うか、1つ1つの表現がクッキリしている。 両端楽章の序奏はテンポを速めに取るが、何かが疎かになったり流れ過ぎることはなく、むしろ丁寧に歌い込む。Allegro箇所は推進力があり、特に低弦のぶんぶんと勢いあるボウイングが印象的だ。第3楽章、Vnの線は細いものの流麗に叙情を奏でる。全体に楽団の響きがソフィスティケートされていないので、この作品の案外端正な佇まいや、ピチピチと若々しい輝きや、繊細な心象の移ろいといったものはあまり聴こえなかった。他方、素朴でざっくりとした飾らない魅力(と言っても無為無策なわけではない)に惹かれる演奏だった。 2月にも感じたが、シティフィルは在京他楽団と比べても何ら遜色ない弦を有していると思う。低弦は中規模編成でも豊かに鳴るし、2ndVnは対抗配置でも最後列までしっかり攻めているし、コンマス戸澤氏が率いる1stVnも達者だ。あとは管打楽器がもう少し…(自粛)。 ドヴォコンを弾いた遠藤さん、華奢な身体にショートボブ、少女のような風貌ながら奏でる音色はなかなか渋くて辛口。音量は大きくないのに客席にきちんと音楽を届けるソリスティックな気質はさすがだ。技術は丁寧で隙が無い一方、歌い口はとてもピュア。それら一見ミスマッチな美点が融合して、ちょっと不思議(ちゃん)な雰囲気を醸しており興味深く聴いた。 ところで、アンコールが何故にビゼーのこの曲だったのか?音楽的に違和感はなかったけれど、意図を知りたいと思った。演奏は優しく、幽玄な魅力を十分に伝えていた。この日もシティフィル定期の客席は温かく好演を讃えた。
by mamebito
| 2011-05-02 22:21
| コンサートレビュー
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