タグ
レビュー(602)
オーケストラ(412) LFJ(76) ピアノ(62) 室内楽(58) アマチュア(52) チェロ(50) 都響(44) 弦楽四重奏(44) N響(36) CD(35) 東響(28) 新日フィル(26) 交響曲(23) ヴァイオリン(19) 以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
お気に入りブログ
外部リンク
記事ランキング
検索
最新の記事
ブログジャンル
|
2010年9月13日(月)19:00~ 浜離宮朝日ホール
Vc.アルバン・ゲルハルト ♪J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番、同第6番 ♪リゲティ/無伴奏チェロ・ソナタ ♪コダーイ/無伴奏チェロ・ソナタ ♪ロストロポーヴィチ/モデラート(アンコール) ♪J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第5番~サラバンド(アンコール) イー●ラス(e●)の「得チケ」はコンサート・ゴウアーに酷なサービスだ。気合を入れて定価で買ったチケットが公演直前にディスカウントされた時のやるせなさもさることながら、気になるアーティストが割引されるとつい無理をして財布の紐を緩めてしまうのだから(苦笑)。今回は後者、ただ無理をしただけのことはあった。 既に40歳を超えて充実した演奏歴とレパートリーを誇るゲルハルト。演奏はたいへんアグレッシブ、170cm程の華奢な体に大きなゴフリラーを寝かせて構えバリバリ鳴らす。低音(CG線)がとても強く、高音(DA線)は鋼の趣き。既成解釈にとらわれないオリジナリティやアドリブも垣間見られて、男性的たくましさに留まらないフレキシビリティも幅広い好感を得ている所以だと思った。 そうしたスタイルに最もフィットして聴こえたのがリゲティ。上述の音色感が20世紀モダンをカッコよく表出し、前向きなテンポで主声部をクッキリ聴かせる。ガツンとインパクトがあり、とても分かりやすい演奏だ。一方で、作品が内包する土俗臭や未来的響きはあまり聴かれず“ゲルハルトの音楽”を聴く印象。重層的な奥行きが乏しいのも気にはなる。私的な感想だが、カラヤン+BPOによる新ウィーン楽派アルバムを聴いた時の「巧いけどカラヤン色に染め抜かれた」印象に似ている。 コダーイもリゲティと同傾向の演奏。アグレッシブの極みで、特に見せ場は技術が冴え渡りその凄みに瞠目するのだけれど、音色や細部があまりに粗っぽくて大味。ケラスやウィスペルウェイのほぼ対極にあるスタイルは好悪を分かつかもしれない。 バッハは独自の解釈が面白い。全て実施するリピートの2度目は音量・ヴィブラート・装飾を変えてフレキシブルに聴かせる。1番6番ともジーグをしっかりと踏むようなリズムで奏で、ドイツ的な感性を興味深く聴いた。しかしここでも細部の粗さやミスのせいで興を殺がれる時がある。以前武蔵野で、ペレーニがバッハ5番をとんでもないごまかしで乗り切ったのに比べれば、暗譜ソロライヴとしてご愛嬌のレベルかもしれないけれど。 アンコールでは、コダーイで半音下げたCG線を舞台上でチューニングしながら、早口の英語でその辺りの事情などをおしゃべり。フランクで快活なトークは演奏にも通じる。深々と直角にお辞儀をして颯爽と舞台袖と行き来する姿は清々しかった。珍しいロストロの無伴奏作品はショスタコ風のユーモアがピリッと効いた佳作で楽しめた。
by mamebito
| 2010-09-16 21:20
| コンサートレビュー
|
Comments(4)
Commented
by
TM
at 2010-09-18 01:49
x
いい意味で男クサイ(て、いい意味なのかわかりませんが)演奏をする方のようですね。
それより気になってしまったのはペレーニ!とんでもないごまかしって(笑) 1月のハイドンのコンチェルトで初めて彼を聴くんですが、どんなタフ(?)な演奏なのか、楽しみです(笑)
0
Commented
by
mamebito at 2010-09-18 09:03
あれは2007年11月30日武蔵野のペレーニ、全曲無伴奏リサイタルだったのですが、前プロバッハ第5番のガヴォットで一瞬止まりかけてまさかの緊張が走った直後、それっぽいオクータブの重音をウニョウニョ弾いて2小節ほどごまかしフィニッシュに持ち込んだのでした。。そこまでは完璧な演奏に酔いしれていたので、夢でもみているんじゃないかと疑いましたが、連れも同じこと言っていたので現実だったようです(笑)
なぜか武蔵野では“弘法も筆の誤り”遭遇率が高く(苦笑)昨年10月にノット+バンベルクとブラームスPf協1番を弾いたエマールが、第3楽章で譜読み違えて完全停止したとか・・・ http://mamebito01.exblog.jp/12176774/ そういう時、どんなに神懸った音楽だって人間の所産なんだなと、妙な親しみを抱いてみたりします。 ペレーニの協奏曲はライヴ接したことがないです。ハイドンいいですね!共演はNYの優秀な楽団なのでしょうか?ぜひまたご感想お聞かせくださいませ。
Commented
by
TM
at 2010-09-19 03:42
x
武蔵野にはど忘れ妖怪が住んでいるみたいですね。名付けて「からぽっぽ」(笑) 天井からひゅーと飛んできて、記憶をちょろっとかっさらっていっちゃうんです(笑)
ペレーニの共演はBudapest Festival Orchestra/Iván Fischerです。2日間オール・ハイドン&ストラヴィというプロで、1日はチェロコン、もう1日はピアコン。プログラムのおもしろさもさることながら、多くの方が絶賛されているペレーニを聴けるのがとても楽しみです。
Commented
by
mamebito at 2010-09-21 21:58
あ、確かに妖怪が出てもおかしくない雰囲気ありますね、武蔵野(笑)10月はルプーのリサイタルを武蔵野に聴きに行ってみるので、また妙なことが起きなければいいなあと思いつつ。武蔵野は会員をやめて以来久しぶりです。
にしてもペレーニはブダペスト祝祭管とですか~彼にとって最高のコンビなのでは。チェロだけでなくオケの方もとても魅力的ですね!
|
ファン申請 |
||