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![]() ファンホ・メナ+京都市交響楽団 Vn.エリック・シューマン ♪ファリャ/歌劇「はかない人生」~間奏曲とスペイン舞曲 ♪ラロ/スペイン交響曲 ♪クライスラー/レチタティーヴォとスケルツォ(アンコール) ♪ドビュッシー/管弦楽のための「映像」~イベリア ♪グラナドス/歌劇「ゴイエスカス」間奏曲 ♪ヒメネス/サルスエラ「ルイス・アロンソの結婚式」間奏曲 京都市響、とても好きなタイプの楽団だった。今まで注目していなかったのは大間違い。もちろん今回のスペイン系プロだけで全ては計れないが、贔屓の都響に近い印象で、瑞々しく艶のある魅力的な個性を感じた。 前日のいずみホールに続く地物堪能。京都は首都圏外で最も頻繁に訪れているが、京響も京都コンサートホールもタイミングが合わず今回が初鑑賞。ホールは座席の関係(3Fバルコニーの舞台に張り出した部分)で音響の程は明確にわからなかったが、空間の居心地は私が訪れたホールの中では抜群に快適。座席もホワイエも空間広々、木材と鋼材がバランスよく融合して、華美にならない柔らかな内装にホッとできる。 演奏も申し分なく楽しめた。メナ氏のタクトが落ち着いており、過度に煽ったりアタックを求めたりしないのが良い。刺激よりも颯爽としたエスプリに重きを置く感じで、はかない人生のスペイン舞曲やゴイエスカスは極上の雰囲気。また、ドビュッシーと他作品の描き分けも見事。前者の精緻な造りを丁寧に紡いでいく。祭りの日の朝など、ゆったりしたテンポでも各パート歯切れよく表情を付していくので、十分な軽やかさと色合いを愉しめる。ヒメネスはテンポ感と切れ味を利かせてなんぼの娯楽作、そこは開き直ったかのように躍動感全開の演奏で、ホールが爽やかな熱気に包まれるようだった。 メナ氏、確かLFJでビルバオ響を聴いた時にはさほどピンとこなかったのだが、棒もセンスも安心感があって達者なマエストロだと感じた。ポストの面でも、2011年9月からBBCフィルの首席に就くとのこと。これからメジャー所でもいい演奏で楽しませてくれそうな予感だ。 楽団の合奏と質感も素晴らしい。若きコンマス泉原氏のフレキシブルなリードが光る。ソロVc上村氏に加え、Va客演首席に元都響首席の百武氏、Cb客演首席に都響の佐野氏を擁した中低弦は、ソロからtuttiに至るまで身の詰まった音色と卓抜な機能を提供。木管も金管も安定しているし音色にアクがなくて爽やかだ。 もう1つ特筆すべきはVnのシューマン氏。スペイン交響曲をこうも軽々と引っ掛かる所なく自在に奏でてしまうとは。洗練を極めるボウイングが示すように技術の完成度が驚異的で、作品への先入観を洗い流して新鮮な音楽を再提示してくれる音楽性にも脱帽。アンコールもエクセレンスの限りですっかり魅了されてしまった。 ということで申し分なく楽しい一夜となった。ここ3年ほど、日本では関東圏の楽団とホールしか訪れておらず、圏外ならホールはkitara、楽団は大植+大フィルやフィッシャー+名フィルぐらいしか正直注視していなかった。今回の旅で、首都圏では聴けない魅力的な音楽個性が今や他にもたくさんあることに遅まきながら気が付いた。国内で聴ける音楽の愉しみが広がって思わぬ収穫を得た心持ちだった。
by mamebito
| 2010-08-12 22:30
| コンサートレビュー
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Comments(4)
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見てしまいました、「今日、京響?」……。
ア、アリス=紗良・オットさん、絵うまいですね!(笑) 京都は独特のノリのようですね(笑) まあ演奏よければすべてよし(笑)
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あ、たまたま私も先ほど「今日、京響?」見ていたところです!
でもリッキー(岩村力さん)のところまでしか読んでなくて、アリス画伯の名画はコメントいただいて気が付きました!これは・・・日本在住の同世代となんら変わらない感性ですね(笑)ある意味ホッとするし、アリス・ファンには嬉しいコンテンツかもしれないですね。 日本の楽団、blogやtwitterを駆使してネット上でも地道にアピールを繰り広げていて、各楽団とも個性的で面白いですね。NやYあたりの大御所オケ(?)も何か発信してくれるでしょうか。
ご無沙汰しておりますm(_ _)m
いやぁ~、関西方面を旅されたのですね?!そしてまたそこでコンサートをスケジュールに入れ込むあたり、さすがでございます。 しかし意欲的なプログラムですね。ラテン万歳!って感じでしょうか。演奏もなかなかのようで、よかったですね! 地方のオケ、私はなかなか聴く機会に恵まれなくて・・・。 そしてアリス画伯・・・絵よりもすっぴんなのかちょっとゆるい感じのアリスさんが気になりました(笑)。サインをもらったとき近くで見たときはえらいべっぴんはんやったのに・・・(笑)。にしてもかわいらしい絵を描くなぁ。
minaminaさん、お久しぶりです!minaminaさんの旅のご様子もblogで拝見していますよ。
本当、京響も関西フィルも昔FMで聴いたりした印象とはガラッと変わっていて勢いあるなあと思いました。時々聴きに行くついでに美味や観光を楽しみたいなあと思いました(いや、美味が主かもしれないですが)。 アリスさん、そのゆるい感じも個人的にはけっこういいなあと思ったり。ちょっとお歳は上がりますが(失礼)、先日BPOヴィオラ首席の清水直子さんと旦那さんのデュオを聴いてサイン会に並んできましたが、このお二人も鬼気迫る舞台とは打って変わって驚くほどゆるい感じで(笑)天は二物の上にお人柄も与えるのですね。
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