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2009年11月26日(木)19:00~ 王子ホール
Cemb.ピエール・アンタイ ≪J.S.バッハ・プログラム≫ ♪コラール「神の御心に委ねるものは」BWV691 ♪前奏曲とフーガ ニ短調 BWV899、前奏曲 ニ長調 BWV936 ♪「ヴィルヘルム・フリーデマンのためのクラヴィーア小曲集」~ トリオ ト短調、前奏曲 ハ長調、前奏曲 ヘ長調 ♪前奏曲 ニ短調 BWV940、前奏曲とフーガ ト長調 BWV902a ♪イギリス組曲第4番、フーガ イ短調 BWV944、パルティータ第2番 (以下、アンコール) ♪ヘンデル/ハープシコード組曲第1巻~第2番 ♪J.S.バッハ/パルティータ第1番~サラバンド、 平均律クラヴィーア曲集第2集~プレリュード ヘ長調 10年半程前、カザルスホールで聴いたゴルトベルク等もそうでした。リサイタルのアンタイは些細なミスには目もくれず、燃焼度の高い凝集された音楽を創造していきます。丁寧で慈しむようなチェンバロも好きですが、華麗でありながら直向に何かを追い求めるようなアンタイの音楽には、他では得難い中毒的な魅力を感じます。敢えて特徴を述べるならば、独特の躍動感、叩き込むようなタッチ、装飾・トリルの多用による厚い響き、といったところでしょうか。 この日は「フーガBWV944」に向けて、知情意揃い踏みの圧倒的なクライマックスを築いていきました。同曲、当日になって追加されただけのことはあって、この日アンタイ氏に最もフィットした曲だったのかもしれません。作品の深部まで余すところなく伝わる超絶的な名演でした。その日あがった最高のネタを最小限の切付けで供したような飾り気のない至福。英組曲もこれほど華麗で心踊る音楽だったかと惚れ惚れ。パルティータは思い入れが一段と強いのでしょうか、骨組みは崩さないまでもミスタッチは折込み済みで疾走し歌い込む、濃密でありながら颯爽とした心揺さぶる演奏でした。アルマンドでは弾きながらはっきりと鼻歌も聴こえてきて相当入り込んでいた様子。 アンコールでは「今年はヘンデルの誕生日(?笑)なので彼の組曲を弾きます」とモワモワとした英語でアナウンス。これまたアンタイらしく躍動が輝かしい演奏でした。 この日は会場の雰囲気も抜群でした。どの作品でも鍵盤が上がった後にアンタイが体勢を解くまで拍手は控えられ、ブラボーのかわりに熱心ながら過剰ではない拍手がずっと続く…繊細なチェンバロの音空間に寄り添うような親密な雰囲気がホールを満たしました。生で音楽を聴く醍醐味は、舞台の上から享受するものだけではありません。 稀代の名演とまでは行かないまでも、アトモスフィアも含めて欠くところの無い素晴らしいリサイタルでした。LFJ2009に続き珍しく年に2度来日してくれたアンタイ氏、今後は頻繁に日本を訪れてくれることを祈るばかり。
by mamebito
| 2009-11-27 20:47
| コンサートレビュー
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Comments(3)
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by
ひら
at 2009-11-28 17:38
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ゴルトベルクはカザルスホールです。
前回のリサイタルは東京はカザルスと武蔵野。2公演2プログラム。 アンタイは今回初めて王子ホールに現れました。
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mamebito at 2009-11-29 15:28
ひら様ご指摘いただき恐縮です。99年3月8日のカザルスホール、アンコールにラモーを入れた以外はオールJ.S.バッハ、でしたね。blog本文も訂正します。ありがとうございました。
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letterstand at 2009-12-02 10:51
はじめまして。
手紙を、本のような「読み物」として取り扱うお店「手紙屋」を東京の表参道のこどもの城の近くではじめます。 手紙が好きな方や,素敵な言葉を伝えている方へご案内しております。 現在、手紙作品の作家さんを募集しております。 もし、ご興味ございましたらご覧ください。 コメント欄にて、失礼いたしました。 LETTER STAND TOKYO letter.stand.tokyo@gmail.com
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