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2009年11月6日(金)19:00~ 東京オペラシティ・コンサートホール
マルク・ミンコフスキ+ルーヴル宮音楽隊 ♪ハイドン/交響曲第101番「時計」、 第103番「太鼓連打」、第104番「ロンドン」 ≪以下、アンコール≫ ♪ハイドン/交響曲第94番「驚愕」~第2楽章、 チェンバロ協奏曲第11番~第3楽章 ♪ラモー/歌劇「優雅なインドの国々」 ~太陽への祈りの前奏曲、未開人の踊り ♪グルック/バレエ音楽「ドン・ファン」~怒りの舞 ♪モーツァルト/セレナード第7番「ハフナー」~第4楽章 2009年2月のブリュッヘン+新日でお腹いっぱい味わったハイドンを秋の夜長に再び。 この演奏会、本編+おまけのアンコールではなくて“ハイドン三題”“アンコールピース集”の二本立てと捉えた方がよいかもしれません(笑) それだけ本編終了後の盛り上がりがすさまじく、全6曲のアンコール(協奏曲含む)にこそレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル(ルーブル宮音楽隊)の本領(本性?)を聴いた気がしました。 もちろん本編の交響曲も充実著しい名演奏でした。ジュピター等のディスクがそうであったように、彼らのアプローチは劇的でありながらそこにあざとさは感じません。フォルムを大きく崩すわけではなく、一定の様式の中で最大の振幅をもっていわば“躁状態”を作り出しているからだと思いますし、湿っぽさが無くよい意味で“大人の割り切り”のような潔さが随所に感じられるからかもしれません。 時計は、作品の朗らかな一面よりも彼ら一流の力強さが勝り極めて清々しい演奏。太鼓連打のティンパニ・ソロの鮮やかさには思わずにやけました。ロンドンも含めて第3楽章メヌエットはベートーヴェンのスケルツォを予見するかのような勢いがあり、最終楽章は極限までテンポを上げてスコアに備わるエネルギーを余すところ無く表出してくれました。そうした表現を支える若いメンバー達の技術・合奏レベルが圧倒的に高いことは言うまでもありません。敢えて言及すれば、作品の“明”がデフォルメされやすく“暗”が表出されにくい点(特にロンドン)は好悪を分かつかもしれませんが、上述のとおり音楽のエネルギーがすさまじく説得させられてしまいます。ピリオド楽器の標準的な編成を用いて、音量的にも精神的にもこれほど豊かにホールを満たす音楽は初めて聴いたかもしれません。 そして本日の第二部アンコールピース集(笑)は、会場の手拍子がなぜか一体となりやすい異様な雰囲気の中で開始されました。総じて彼らのエンターテイナーぶりが如何なく発揮された愉快極まりない舞台。ミンコフスキが「びっくりしんふぉにー」とアナウンスした驚愕は、(これはラトルもやったネタですが)びっくりを指揮者のジェスチャに反して無音にしたり、楽員が楽器を鳴らさずに叫んだりして大いに会場を沸かせました。続いては驚いたことにわざわざチェンバロを式台前にセッティングして協奏曲を始め(団員フランチェスコ・コルティ氏のsoloがまた秀逸)、トラヴェルソの古典美が味わい深い太陽前奏曲の拍手を背に舞台上手から太鼓が叩きながら乱入して未開人の踊りを始めたり(ハイテンポでブリュッヘンもびっくりの刺激的な演奏)、ドン・ファンの中間パウゼでは不自然に開いた上手舞台袖からドラがクレシェンドで鳴らされたり(これまたブリュッヘンを凌駕する豪演)、最後のハフナーはコンマス氏の達者なVnソロで会場を再び沸かせてお開きとなったのは21:45。終演後も鳴り止まぬ拍手でミンコフスキを舞台袖に再登場させました。 以上、会場の7割程度を埋め終演までほとんど席を立たなかったコアな聴衆とミンコフスキ達による祝祭の模様は、カメラ収録していたNHKの放映で要チェック(笑)!(編成都合でアンコールカットなんてことがないよう願います、日本放送協会様)
by mamebito
| 2009-11-08 00:49
| コンサートレビュー
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