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2009年 08月 10日
期せずしてPMF・藝大に続く夏のアマオケ鑑賞シリーズ第3弾。
![]() 天沼裕子+FAF管弦楽団 ♪R.シュトラウス/ 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」 ♪エルガー/エニグマ変奏曲 (ホグウッド改訂によるベーレンライター原典版) ♪ブラームス/交響曲第4番 元ベルリン・フィルのヴィオラ奏者土屋邦雄氏が振った第36回・第37回に続き、今回はドイツの地方歌劇場でも活躍する天沼氏のタクト。表現過多なぐらい劇的だった前者に対し、後者は柔軟で流れのよい音楽をお創りになる。いかにも劇場指揮者らしく音楽の「雰囲気」を大切にするよう。 するとティルは物語の表出にタクトを振るいつつ、楽団にはすっきりとした見通しのよさを求めているように聴こえました。ただこれはアマオケには要求レベルが高すぎる。敢えてあいまいに振り情緒を醸そうとしているのか、それがザッツの不揃いや場面転換の不明瞭につながる。あまりガリガリ弾かせてもらえないからか、オケに萎縮が感じられて音抜けや音程不良が多発する。指揮者とオケのやりたい意思は伝わるものの、聴こえる音楽は薄造りでガチャガチャとした印象になってしまいました。 同傾向は、おそらく世界初演(プログラム解説より)というクリストファー・ホグウッド2007年改訂によるエニグマでも続きます。合奏の造りが薄く、長調系の変奏はホームミュージック並に軽くなり「長いし退屈」といった空気が客席を支配し始めます。しかし、中盤の名曲ニムロッドでオケがしっくり絡み始めるとやっとエンジン点火。終曲に向けて感動的に仕上がったと思います。ちなみにこのベーレンライター版、おや?と感じる箇所が無くもなかったのですが、録音で比較でもしないと流通版KALMUSとの差異ははっきり分かりませんでした。 後半ブラ4ではオケが別物のようにしっとりして、腰の据わったテンポと丁寧なアンサンブルを提供します。団員の皆さん、やはりブラームス周辺のスコアには馴染みが深いのでしょうか。天沼氏のアプローチはここでも激さず叙情的。同曲に力強さや厳格さを求める向きには不足でしょうが、この解釈は十分アリだと思います。上述のオケに対して無理なく押したり引いたりしながら音楽に手応えを与えるあたりはさすがに巧い。第3楽章は美しくも覇気があって聴かせる。第4楽章のテンポ設定もたいへん妥当。作品の深淵までは聴こえませんが、純粋に美しく魅力の伝わる演奏でした。 今回も弦ではVcが安定しエニグマのsoloなど瑞々しい。そしてVaの鳴りっぷりがすごく(特に首席)、ティルの教授の主題やエニグマの要所要所で存在感大でした。比して1stVnがもう少し…かつて天沼氏と奏でた田園など一体感が高くフレキシブルだったのに。他に優れたのは打楽器、特にエニグマのシンバルは音色がよくバランス・タイミングとも絶妙でした。管は全般に不調だったでしょうか、曲が曲だけによくさらえた箇所とそうでない箇所がはっきり分かれた印象。 終わってみればブラ4のおかげでよい拍手が8割近い入りの会場を満たしました。が、カーテンコール、立たせるんだか立たせないんだか、アンコールやるんだかやらないんだか、はっきりしなかったのはベテラン指揮者らしからぬ。最近蒸し暑いせいですかね(笑)。終演後の池袋はゲリラ的豪雨の只中。 ■
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by mamebito
| 2009-08-10 22:29
| コンサートレビュー
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