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2009年5月24日(日)15:30~ フィリアホール
東京アカデミーオーケストラ ♪メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」 ♪J.S.バッハ(ニールセン編)/シャコンヌ(弦楽合奏版) ♪シューマン/交響曲第2番 ♪メンデルスゾーン/「真夏の夜の夢」序曲(アンコール) 東京アカデミーオーケストラ(TAO)は、学生オーケストラの両雄、ワセオケとワグネルのOBOGを中心に設立された指揮者を置かない室内楽団。演奏と活動のクオリティは時にプロ顔負けで、アンサンブル・フラン等とともにこの編成のアマオケ最高峰と言えるでしょう。 その彼らがシューマンの2番を、もちろん指揮者無しでやってくれました。これが素晴らしい演奏。シューマンの作品で最も好きなので幾多のプロによる演奏を聴いてきましたが、聴き終えた感動はそれらに劣らぬ充実したものでした。 その理由は、今日の演奏がかなり熱かったことにあります。TAOは優秀すぎて「驚くほど巧いけれど面白くない」ことが時々あるのです。しかし、このシューマンはスマートな余裕を保ちながらも、躁的な情感が噴出したりドロドロとした情念を奥底に感じたり、それらの総決算ですこぶるたくましいフィニッシュを構築したりと、作品に求めたいロマン性を再現しており申し分ありません。 珍しく傷や不安定な音程がありましたが、限られた時間の中で音楽の内実を追求したと思えば大したマイナス要素ではありません。弦は1st-6、2nd-5、Va-4、Vc-3、Cb-2、というミニマムでありながら力感十分。凹凸を冷静に制御できるホルン・トランペット・ティンパニのおかげもあり、構築もクリアで闊達なテンポでも混濁しませんでした。全体として穏健派のアーノンクール+ECOといった印象。 もう1つの目玉はニールセン編(解説によるとカール・ニールセンとは別人)によるシャコンヌ。個人的にはチェロ四重奏版や斉藤秀雄編をよく聴きますが、ニールセン編はそれらよりもかなり手を加えています。原曲で響く和声が無かったり創作的なオブリガートが多用されたり、「シャコンヌの主題よる変奏曲」といった方がよさそうな場面も。また、各パートにかなりソロが置かれており、名手揃いのTAOの面目躍如たる美しいアンサンブルも楽しめました。あとはVn群が「原曲は私達のモノよ!」と言わんばかりに開放的に鳴らして気持ちよい。さらにはVn・VaだけでなくVcまでもがスタンディング(!)で弾いており、目にも貴重な演奏でした。なお、このシャコンヌのライヴCDを8月にコミックマーケットで頒布するとのこと。 冒頭と末尾に置かれたメンデルスゾーンも好演。アンコールはシューマンの勢いが残ってずいぶんアグレッシヴな真夏の夜の夢でした。 開演前には木管五重奏によるロビーコンサートが催されました。闊達なイベールに加えて、ブラームスのハイドン・バリエーションの元ネタであるハイドン/ディヴェルティメントHob.2-46が美しく奏されました。
by mamebito
| 2009-05-25 00:21
| コンサートレビュー
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