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室内オーケストラ鑑賞記はまだまだ続きます(笑)
2009年1月25日(日)15:00~ 三鷹市芸術文化センター 風のホール 沼尻竜典(Pf)+トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ Sop.谷村由美子 ♪モーツァルト/交響曲第26番、ピアノ協奏曲第25番、 モテット「踊れ、喜べ、幸いな魂よ」 ♪ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 ♪モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲(アンコール) トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ(TMP)の三鷹市密着の活動を体感してきました。前座では三鷹ジュニアオケの発表(ベト1の両端楽章)にTMPメンバが参加。ベルの後で沼尻氏が一人登場しユーモア路線の曲目解説。客席は顔見知りのご年配やジュニアオケのファミリーで地域サロンの様相。オーケストラ過密の都心から車路20分も離れていない三鷹市上連雀で、こうした親密な音楽コミュニティが形成されていることを興味深く感じました。外来演奏家を低価で呼びまくるお隣武蔵野市とはまるで違うスタンスですね、どちらがいい悪いではなく。その両市の間を貫くJRは三鷹駅周辺、何ともコアな音楽の街であります。 さて、ライヴで初めて聴くTMPは評判どおり俊敏な生き生きした演奏で楽しませてくれました。最も心惹かれたのが冒頭の26番。こんなに簡潔にモーツァルトの粋を楽しめる名品だったのかと初めて気付きました、今までクリップスやクリヴィヌのディスクで出会っていたのに。。アタッカで奏される全3楽章は沼尻氏もご指摘のとおり第32番と同じ形式。物憂い第2楽章など第26番の方が素敵だと思いました。TMPは全体的にアフレッシブな演奏で、そのことが看過されかねない両端楽章の生命感に火を灯しており魅力的でした。 続くピアノ協奏曲第25番への偏愛は先述のとおり。本日の弾き振りは、沼尻氏も難曲と述べていたようにかなりチャレンジブルだったようです。独奏に集中すればもっとお弾きになれるのでしょうが、やはりピアノに余裕がなくなってオケとの合奏という“作業”に堕ちてしまう場面が見受けられました。また、天井が高く音が上に響く風のホールでは、客席に背を向け天板オープンのピアノはオケに埋もれてしまいがち。それでも弾き振りの妙と、沼尻氏の正確無比な譜めくり技は見応え十分でした。 モテットのソプラノ谷村氏は2008年5月のLFJでコルボとのコラボ(笑)を聴いた印象と変わらず。声量に優れ、声質は甘さや媚とは無縁で硬派ですらある。声楽素人の私ですら“並の歌手とは違う雰囲気”をお持ちであることに気付かされます。ただ好みの点では、常に細かなヴィブラートを入れる発声法と大見得での威圧的な高音がちょっと気になりましたが。 今日最も聴きたかったのが室内オケによるハイバリ。ホールのせいもあって期待したような室内オケならではの精緻な輝きは得られませんでしたが、冒頭の26番と同様に生き生きと外連味ない演奏で曲の良さが存分に伝わる好演でした。アンコールは、次回第50回定期(ドンジョヴァンニ演奏会形式)の予告編ということで。 オケについては木管が秀逸。特にfl.岩佐氏とfg.霧生氏のベテラン2人は格の違う味わいを放ち、ゆえに第25番第2楽章の序奏やハイバリの第1・第7変奏など感動的。また低弦、特にcb.黒木氏(TMPにもいらしたとは!)の低音が演奏全体に生命感を与えていました。一方、1stVnは達者ながら艶やかなばかりで外面的な印象。日向(主旋律)はストバイの大きな役割ですが、もう少し内向的に影(内声・伴奏)作りにも参画してほしかった。 本拠地三鷹の定期では、沼尻氏と年1回27年間(!)かけてモーツァルトのピアノ協奏曲を取り上げていくとのこと。風のホール+弾き振りならば、第23番で音楽による親密なダイアログを堪能したいと思いました。
by mamebito
| 2009-01-25 23:53
| コンサートレビュー
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