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生彩に富むアンサンブル、奇を衒わない解釈。ベートーヴェン初期弦楽四重奏曲の録音で最も気に入っているのがこのミロ・クァルテット。
ベートーヴェン/ 弦楽四重奏曲Op.18(第1番~第6番) ミロ・クァルテット Vn.ダニエル・チン、山本智子 Va.ジョン・ラージェス Vc.ジョシュア・ジンデル (録音:2004年10月7~22日、アメリカン・アカデミー・オヴ・アーツ&レターズ、NY) 2001年の第一生命ホール「クァルテット・ウェンズデイ」第1回で好評を博して以降、最近あまり音沙汰ないのですが、このディスクを聴く限り世界標準の優秀なクァルテットに間違いないと思います。 演奏の特徴としては、生彩と素直な楽曲解釈に加えてアンサンブルが驚くほど精緻。技術巧者でダイナミクスも自在なのですが、大仰な表現に依らずむしろ中身を詰めていくようなスタイルは室内楽曲の醍醐味を味わわせてくれます。かつての東京クァルテットがそうであったように。 このディスクではどの作品も上述のクオリティで愉しませてくれますが、特に感銘を覚えたのは第3番。第12番に通じるような“長調の諦観”が自然な流れの内にしっかりと描かれています。また、同じ主題が短調で展開する際の哀感は深みを覗くよう。第4楽章のシンコペーションと対位法的な掛け合いが実に鮮やかで目から鱗です。ピチピチと艶やかな音色をとらえたクリアな録音も優秀。 翻って近年の日本クラシック市場では、のだめ効果のオーケストラと安定需要のピアノの狭間で、室内楽に類するカルテットの存在は相変わらず地味ですが、内容の充実は著しいと感じます。ABQが解散しベルリンスキーが逝った昨年は寂しくもありましたが、近年はミロ・クァルテット然り、クスやベルチャやアルカントなど“ポスト・ハーゲンorカルミナ”世代に優秀な四重奏団が多く、彼らの熟成と変貌をリアルタイムで楽しめることに期待が膨らみます。日本の常設でも、ドイツに居を移したロータスを筆頭に古典やエクセルシオの活躍が魅力的です。 ミロ・クァルテットの新譜リリースと来日、首を長くして待っています。
by mamebito
| 2009-01-18 11:36
| 録音
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