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2009年1月10日(土)18:00~ NHKホール
デイヴィッド・ジンマン+NHK交響楽団 Vn.リサ・バティアシュヴィリ ♪ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番 ♪シューベルト/交響曲第8番「ザ・グレイト」 昨日のハーンに続いてとても素晴らしいヴァイオリンを聴くことができました。バティアシュヴィリの魅力に気付いたのは、BPOヨーロッパコンサート2007でブラームスのドッペルをやった放送を聴いた時からです。端正な佇まいで音色は艶やか、加えて音楽の芯が強く毅然としており、ラトル+BPOと堂々たるブラームスを奏でた姿が印象的でした。 本日のショスタコは激しい表現や厳しい技巧が盛り込まれていますが、バティアシュヴィリはどこまで攻めても品のある艶やかな音楽を損ないません。それは驚異的なことで、例えば第3楽章の激しいカデンツァでは非常に切迫した緊張を高めながらも隅々まで息が通い美しい。めくるめく第4楽章は、急くようなスリルと純音楽的な美感が見事に両立していました。知情のバランスが最高度に絶妙なのです。 また、N響定期初登壇のジンマンも見事なタクトで知的なショスタコを創り上げました。「ダイナミクスバランスの妙」と言ったところで、Vn16型で鳴り物も多い編成ながら、凸凹を緻密に構築してソロVnとぴったり絡み合います。その見通しよくかつ手応え十分な音楽創りには感心の連続。バティアシュヴィリと共に目の覚めるような名演を再現してくれました。 ジンマンの練達の妙技はグレイトでいっそう引き立ちます。オケはVn14型に縮小、しかしここでも見事な音量構築で物足りなさを全く感じさせません。forteの力感だけでなくpやppに美しく息が通い、特に弦とOb.茂木氏の心がこもった弱音にはすっかり感心。ジンマンの解釈はスタンダードで響は健やかなドイツサウンドの趣きですが、まるでブーレーズの高音質録音を聴くかのように各要素がクリアに浮き上がり新鮮でした。 もう1点特筆すべきはリラックスした音楽の流れ。「自然体の妙」とでも言えましょうか、オケは素直で気持ちの良い音色を奏でており、タクトに対して力まずヴィヴィッドに反応する様子が快い。創られる音楽は、豊かに鳴りながら引き締まった胸が透くような美演でした。一方、会場の拍手は評価が二分した印象。グレイトに重厚なイメージをお持ちの方々には物足りなく感じられたのかもしれません。 総じて、今まで聴いた数多のN響ライヴの中でも特に好みに合った秀演でした。それにしてもバティアシュヴィリは素晴らしかった!ハーンとともに最優先で聴きたいヴァイオリニストになりました。
by mamebito
| 2009-01-11 00:37
| コンサートレビュー
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Comments(8)
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TM
at 2010-06-22 22:16
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バティアシュビリで、ショスタコVコン1を聴かれたのですか! いーーなーー。私の一番好きなVコンなのですがなかなか上演機会がなく、まだ一度しか実演を聴いたことがありません。
David Zinman、来シーズンはNYフィルには来ないのですが、フィラデルフィアでフィラ管と、ルル組曲、マラ4をやります。ルルが特に楽しみですが、まめびと様の日記を拝見しますとマーラーもこってりでなく整然として見通しの良いマーラーになりそうなので、楽しみです。て、実はマーラーそれほど好きではないのですが(笑) バティアシュビリは、フィラ管とはベトVコン(ユロウスキ指揮)、NYフィルとはバルトークVコン2(ギルバート指揮)をやります。客層を考慮した曲目なのかもしれません(笑)
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mamebito at 2010-06-22 23:37
TMさん、いつもありがとうございます。
このショスタコを聴いてバティアシュビリにもはまってしまいました。それにまったく、天は二物を与えるものですね(笑) ZinmanのマーラーはZurichとのチクルスが評判ですよね。昔、ベーレンライター版のBeethovenで話題をさらった頃よりも、奥行きがあって懐深い感じの音楽をされるようになったと感じています。マラ4、しかもフィラ管なんて、ルルも合わせて本当に素晴らしそう。 ユロフスキも早く日本で本格的に振ってほしいものです。その辺りの指揮者は、まだ日本では話題に上がり始めたぐらいですが、そちらでは既に米メジャーをバリバリ振っているのですね。ワクワクします。
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TM
at 2010-06-23 05:10
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Jurowskiの日本語表記はユロフスキでしたか。
彼はフィラ管の次期音楽監督候補とも言われていましたが、ふたを開けるとYannick Nézet-Séguinで、正直少々がっかりしてしまいました。ユロフスキのシャープさがフィラ管に合っていると思っていたので。あと単純に、ユロフスキならショスタコの演奏頻度が上がるかなと期待していたりして(笑) クリーヴランド管とメスト、シカゴSOとムーティ、NYフィルとギルバートに続く(と思われる)、フィラ管とセガン。どういうキャラを創り上げていくのか、楽しみです。 やや息切れ感のあるボストンSO、レヴァインの次にユロフスキを引っ張ってきたら、おもしろくなりそうなんですが(笑)
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mamebito at 2010-06-24 22:18
最近動きの激しい北米メジャーは目が離せないなあと思っています。
中でもセガンのフィラ管就任はびっくりしました。4月のデュトワとの来日も好調だったので、近々首席→音楽監督にでもなると思っていたんですが。セガンは、もう少し中堅どころでキャリアを積むのかと思ったら大抜擢。でも、ロッテルダム・フィルとのラヴェルの録音が凄く洗練されて美しかったし、EMIをバックにこれからカリスマに成長していきそうで何だかキャリアパスがムーティと重なります(芸風は異なりますが)。 それからLAのドゥダメルや、ナガノで再生するかモントリオールも期待しています。仰るとおりボストンの停滞はずっと気になっています。ユロフスキが来たら相当面白いでしょうね!それかオザワさんの系譜で、ライプツィヒ放送響の後のメルクルなんてどうでしょう。
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TM
at 2010-06-25 02:06
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セガン若いですよね。フィラ管は財政難らしいので、予算が決定打だった、なんてことでなければいいなと邪推してしまいます…。
デュトワはconductor laureateなるタイトルをもらったようですね。 メルクルはフィラ管と、ハイドン44、モツPコン17、ベト2という地味なプロ(と思うのは私だけ?)。これでお客さん呼べるのかな…。 ナガノ&モントリオールは、カーネギーのシリーズの一環でアルバニー響、ダラス交響楽団、オレゴン響、セントポール室内管と並んで公演しますが、プログラム未定というさらなる地味さ(笑) アメリカでの人気がすべてを左右するわけではありませんが、来シーズンNYではJapanNYCと銘打った様々な日本関連の催しがあるので、その勢いに便乗しちゃってほしいものです。
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mamebito at 2010-06-26 07:21
conductor laureate 不思議なポストですが、デュトワとの長年の良好な関係を大切にしたいフィラ管の考えが見て取れますね。にしてもフィラ管が財政難というのは気になる話です。問題が起きたり、来日が減ったり、チケット価格高騰しなければいいのですが。
JapanNYCは今年12月の、オザワさんが芸術監督を務めるフェスですね。今年の9月のサイトウキネン・フェスは明日6/27発売、最近のオザワさんは求心力が一段と高まっている気がするし、お体の件もあるので、今年はチケット必達のつもりです。NYに行く頃には元気に復帰されているとよいのですが。 ところで、昨日知ったのですがバティアシュヴィリがDGに移ってショスタコVn協1番をレコーディングする話はご存知ですか?バックもなんとサロネン+バイエルンというたまらない布陣です。2011年前半リリース予定とのことですよ!
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TM
at 2010-06-28 22:45
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サイトウキネン・フェスのチケット、無事ご購入されましたか。
JapanNYCは日本でも話題になっているのでしょうか。今年12月と来年3-4月の2部構成らしく、3月には能、津軽三味線、和太鼓、雅楽、村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』のマルチメディア劇なんていうのもやるようです。 バティアシュヴィリ+サロネン+バイエルンのショスタコVコン、そういえば知人がミュンヘンで聴いてきたそうです。聴いてみたいですね! サロネンのショスタコは未聴です。
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mamebito at 2010-06-30 23:15
TMさま、ありがとうございます。
サイトウキネンは予想どおり激戦となりまして、発売開始後8分後にはぴあとイープラスの電話・webともに小澤さんの4公演全席完売となりました。。もちろんありつけませんでした・・・掲示板に出るのを目をさらにしてさがしますか。。(笑) サロネンは過去にもロシア管弦楽曲集をバイエルンと録れてたり、相性がよいのでしょうかね。バティアシュヴィリの新譜、出たら私もぜひ聴こうと思います。
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