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期待に違わず、LFJ2008マイベストコンサート第2位です。
2008年5月5日(祝)19時~ ホールB7 ルーベン・ガザリアン +ヴュルテンベルク室内管弦楽団 シューベルト/交響曲第8番「グレイト」 座席が大地の歌と全く同じ3列目真ん中だったため、ホールB7の音響のディスアドバンテージにかかわらず直接音を楽しめました。ヴュルテンベルク室内管の演奏は、アルゲリッチとのディスクなどで触れていましたが目立った印象は持っていませんでした。今回、かっちりとした弦と素朴な管の音色に、ドイツの中堅楽団らしいオケのカラーを感じ取ることができました。 演奏は表現意欲に溢れたもの。音色や合奏の乱れは若干あったものの、室内オケの機動性を活かしつつ作品の持つパワーを存分に味わえる秀演でした。第4楽章のケガを除けば・・・ 【第1楽章】まず萎縮しないHrの主題提示に共感。Obを経て弦の旋律が歌うこと!序奏だけで1曲聴いたぐらいの充実感がありました。そしてallegroはなかなかのハイテンポ。硬くて重いティンパニが強すぎる部分はあるものの、各楽器の技術が案外スマートで期待が膨らみます。 アルメニア出身の若手ガザリアンは、可能な限りキューを出し続けてアクションも派手。でも空回りせずメリハリのある演奏に結びついていたと思います。解釈は古楽の成果とは無縁なロマンティックなもので、若干恣意的に過ぎるきらいはありました。 【第2楽章】演奏の感銘が最も薄かった楽章。テンポ移行が大げさで鼻につく。中間部、Vcの天上のメロディはもうちょっとアンサンブルが歩み寄れたのでは。 【第3楽章】第1楽章を経て予想はしていた展開ですが、いよいよ本領発揮。妙なテンポ移行は相変わらず鼻につくものの、高速で勢いのある弦のtuttiは平たく言えば相当“カッコイイ”。トリオの木管はやや繊細な叙情に欠けたものの、この朴訥さが同団の個性なのだと気付いたら微笑ましくなりました。 【第4楽章】冒頭からテンション↑ 筋肉質の引き締まったゲルマン魂を見せつけるかのような勢いに一気に引き込まれました。オケの集中力の高まりも見事でtuttiの力感が結実します。これはすごい演奏になるかもと期待したのですが・・・ やってしまいました、第2主題のクラが一くさり丸々落っこちてしまいました。第1主題からのつなぎのVcトレモロがはっきり半音変わらなかったので「おや?」と思った矢先のことでした。おそらく、リハでは半音下降のキューを指揮者がVcに出していたものが抜けたのでしょう。ここはVcを待って木管が第2主題に入るのが定石ですから、そういうネゴだったのであれば完全に指揮者のミス。 でも同主題のObからメロディーが回復した後は、瑕疵を取り返さんばかりに高いテンションを保ち、もちろん再現部のクラは落ちることなく(笑)、大変力強いフィナーレで結んだのでした。 総じてきびきびと力強い、聴いていて気持ちの高ぶる素晴しい演奏ではありました。音楽の完成美はプロフェッショナルにこそ求めたいものでその点は大きな傷を残しましたが、音楽の内実は申し分なく、お祭りの聴衆も大変熱い拍手で応えました。これまたLFJならではの愉しみ。
by mamebito
| 2008-05-17 12:30
| LFJ
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