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関西弦楽四重奏団 Vn.林七奈、田村安祐美 Va.小峰航一 Vc.上森祥平 ♪ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第5番、第10番「ハープ」 2014年7月16日の宵山フォーレ以来、約2年2ヶ月ぶりにカフェ・モンタージュへ。毎年訪問を目標にしていたのに少々間が合いてしまった。親密な居心地よさ、オーナーお二人のお人柄、最高の食前酒である高田さんのトーク…音楽鑑賞を趣味にして本当に良かった!と思う空間が変わらずそこにあり、一段と熟成を重ねている雰囲気に満たされていた。その場に身を浸し、5月以来お会いする morpheus-cello 様にご挨拶などしながら開演を待つ間に、胸が熱くなっていたのはここだけの秘密だ。 京阪地域で活躍する素晴らしいソリストが集って結成された関西弦楽四重奏団は、この演奏会の直前に2015年度「咲くやこの花賞」というものを受賞するなど、短期間で名実共に上方を代表するカルテットになっている。それはこの日の充実した演奏を聴けば当然の結実だと思う。人気が拡大して、もっと大きい箱じゃないと演奏してもらえなくなるのではないかという杞憂がなくもない。そして東京や日本全国で演奏に接する機会も増えるのでないかと。 第5番は林さんが、ハープは田村さんが1stVnに座った。このカルテットのVnは固定ではないようだ。まず小空間で眼前に迫るベートーヴェンの迫力に圧倒される。それは単に小さい空間で聴いたという物理的理由だけでなく、このカルテットの演奏がとてもシンフォニックだからだと思った。そして迷いや誤魔化しがないので、聴く側に真っ直ぐ届く。届いて一度掴まれると、ハープ2楽章のようなAdagioでも、こちらがよほど疲れていたとしても弛緩できないぐらい、求心力の強い演奏だった。 ベートーヴェンの16曲の中でも、少々込み入っている上に畳み掛けるような両作品を、1音1音抜かりなく再現されていたので、演奏者の皆さんは相当消耗した1時間だったのではないだろうか。音を重ねるほどに密度と振幅を増し、その中でも例えば田村さんの高音は艶やかに、小峰さんのカンタービレは清冽に、上森さんのリズムは極めて躍動的に・・・ソリストとしても高名な皆さんの個性が全開し、しかも団として一本筋が通っているところが、このカルテットの類稀な魅力だろうと思った。 終演後はいつもの歓談。月曜日であるうえに翌日も同じ公演があるためか、会場の撤収は早かったが、SNSを通じたご縁で演奏家や音楽仲間の皆さんと輪が広がり、開演前に心の内で呟いた言葉を改めて噛み締めたのだった。
by mamebito
| 2017-01-04 22:55
| コンサートレビュー
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