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2013年7月19日(金)19:00~ NHKホール
アンドルー・マンゼ+NHK交響楽団 Fl.エマニュエル・パユ ♪モーツァルト/歌劇「フィガロの結婚」序曲、 フルート協奏曲第2番 ♪フォッブス/モーツァルトの「魔笛」による幻想曲 ♪ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」 ♪アルヴェーン/組曲「山の王」~羊飼いの少女の踊り(アンコール) マンゼは、私にとってはバロック・ヴァイオリンの絶対的な名手。指揮者としては、ヘルシングボリ響とのブラームスが穏やかな演奏で、ヴァイオリン程の鮮烈な印象は持っていなかった。 ところが、この日のエロイカは強靭でうねるようなインパクトの強い演奏に。これはヘルシングボリよりもN響の方が機能的に優れていて、マンゼが本当にやりたかったことを反映できたということなのだろうか。 楽員の数を絞ることの無い通常配置。テンポはやや前向きな程度で、速度で押すタイプの演奏ではない。ある程度遊びのあるテンポ設定の中で、細かなダイナミクス変化、うねりを生むルバート、射抜くような楔…といった多様な表現を克明に施していく。想像の域を出ないけれど、ベートーヴェンがこの作品に込めただろう情熱や物語が精緻に表現されていたのではないか、と私には思えた。 中でも、第2楽章の語り方はとても心に迫った。自然な抑揚と呼吸を感じる表現。マンゼはヘルシングボリとの録音でもそうだけれど、ノリントンのようなピュアトーンは特に求めない。そうしたこだわりとは別の視点から、tuttiのシェイプを引き締め、繊細なpppから轟然としたfffまで再現していた。別の言い方をすると、リハーサルでは細かくディテールを施したことが伺えるにもかかわらず、決して理屈っぽくなく、表立った「私たちチャレンジしてます!」感も漂わない佇まいが、とても好ましかった。それが、押し付けがましさの一切無い葬送行進曲として際立って聴こえたのだった。 アンコールは、英国のアンドルー商人が、赴任先スウェーデンの佳作を日本へご紹介。ピチピチイキイキして、ノスタルジックなメロディに胸キュン。この日初めて聴いて、とても良い曲だと思った。まだまだ知らない魅力的な作品達が、日本を含む世界中に散在していて、新たに生まれ続けてもいることを感じ、密かにワクワクした。 パユ様は申すまでもなく、安定のビューティホー・パフォーマンスで非の打ち所が無い。この日の客席は、パユ目当て+N響コンサバ系が大半を占めていた様子。前プロと後プロで、客席の集中と喝采は明らかに前者の方が篤く、私とは逆。前プロは所々心地よい居眠りBGMに。N響の演奏会は、客席の反応が自分の感興と逆行することがしばしばで、何かとアウェイ感が拭えない。もちろんホームは都響(笑)。
by mamebito
| 2013-08-31 23:49
| コンサートレビュー
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