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2012年12月28日(金)19:30~ 東京文化会館
飯守泰次郎+東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団 Chor.東京シティ・フィル・コーア(合唱指揮:藤丸崇浩) Sop.佐々木典子 Alt.小山由美 Ten.望月哲也 Bar.大沼徹 ♪ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付き」 今さら昨年末、正月休みを控えた聴き納めの感想をアップ(遠い目)。 ほとんどの名曲は好きだけれど第九終楽章だけは苦手、と何度か拙Blogで告白してきた(第1~第3楽章までは渾身の名作だと思うのに・・・)。だから、この曲をLiveで聴いた経験自体数える程だし、ましてや自ら年末何とかに足を踏み入れたのはこの日が人生初。思い立って聴きに来たのは、2ヵ月半前に初めて第九全曲を演奏する機会を得て少し親しみを感じたから、これは歓喜の歌アレルギー克服のチャンスかな、と考えたことが大きい。実際に、この日は終楽章を純粋にカッコイイと感じたり、初めて心を開きかけることが出来て、私にとっては稀有な機会だった。 シティフィルはコンマス戸澤さんのもと、音にエッジが利いて、tuttiの緊張感が切れず常にピンと背筋が伸びたような凛々しい演奏をしていた。長明さん率いる8名のVcが人数に比してダイナミックによく歌うのも素敵だった。さらに、若いObは癖がなく伸びやかで心地よいし、同じく若いTimpも迷いがなくて快い。そんな快調なオーケストラを、流れよくも隙がなく、要所で鮮やかに見得を切る飯守マエストロのタクトが導くのだから、悪かろうはずがない。この御方、重厚長大風の巨匠とは一線を画するスタイルで、ここまで彼の国の音楽をオーセンティックに聴かせてしまうのだから、国内だけでなくもっとグローバルでも引っ張りだこでおかしくないと思うのだけれど。 ということで楽曲と楽団の演奏は申し分なく楽しんだ。シティフィル・コーアも、声量は乏しいながら嫌味なく良質。しかしながら独唱陣は・・・楽団と合唱がよかっただけに、文字通り玉に瑕。年末第九では、ああいう不安定な阿鼻叫喚が許されてしまうのだろうか?信じられない。カーテンコール、独唱4人にだけは拍手を控えて不満を静かに表現した。 色々と痛い噂を耳にする年末恒例第九だが、この日は隣人にも比較的恵まれ平穏。終演後は出演者の友人とアトレ上野で軽く会食。たまたま隣席に座った親子が私の知人で、その知人と出演者の友人は学校が同じで云々・・・世間は狭い、少なくとも音楽の輪は。そして偶然から新しい出会いのワクワクや温かな気持ちが膨らむ。日本はなんて平和なんだろう。近年穏やかならぬ内憂外憂に自分自身少なからず心乱されていたけれど、それらを払拭する演奏と癒す出会いに恵まれ、聴き納めにふさわしい一夜だった。 ※ただ、会食中から咳が出てダルく、その後ずっと熱が引かないので大晦日に病院へ行くと「インフルA“でしたね”」との診断が。。「合唱付き」というよりも、満身創痍で無病息災を誓う「教訓付き」の年末最終鑑賞となった。
by mamebito
| 2013-01-18 02:53
| コンサートレビュー
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