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2012年5月5日(土)12:45~ ホールB5
ヤーン=エイク・トゥルヴェ+ヴォックス・クラマンティス ♪クレーク/夜の典礼 ♪作曲者不詳/賛歌「沈黙の光」(ズナメニ聖歌) ♪ペルト/カノン・ポカヤネン~オードⅠ、オードⅡ、オードⅣ、コンタキオン、イコス、カノンの後の祈り ♪作曲者不詳/賛歌「沈黙の光」(ズナメニ聖歌)(アンコール) コテコテのイタリア歌唱や“○百人の第九合唱”の類は大の苦手なのだけれど、古楽合唱やこういう声楽は大好きなのだ。そして、単独来日ではなかなか組めない好プログラムで彼らのような合唱団を聴けるのは、LFJtokyo初期からの最大の魅力の1つだと思う。今年もその恩恵に浴した。 5/3もこの日も、彼らの技術は安定して高いと思った。そして声質が何ともいい。涼しいというだけでは言い表せないし、荒涼というほど寂しすぎもしない。透明感の内に、霧のような冷やかさや木造建築の温かみを漂わせ、魅力的だ。男女約半数ずつの十数名、無垢な女声もさることながら、男声アルト(C-T?)の美しさ、バス持続音のホーミーのような不思議な倍音にも、とても魅了された。 クレークもペルトも聖歌。前者はメロディアスで、ヴォックス・クラマンティスの温かみが強調され耳に心地よい。後者はルネサンスやグレゴリオ聖歌に傾倒したシンプルな構造・和声に、作曲者独特のミステリアスな叙情が宿る。ほとんど同じパターンをパートを変えて繰り返し歌うだけなのに、ミニマル・ミュージックとは違う意味でずっと続くような、ずっと続いて欲しいような酩酊感に包まれる。それだけ1つ1つの発声と歌唱が磨き込まれているのだろうか。2年前の夏、ヘルシンキに滞在しながらタリンに足を延ばせなかった個人的な想い出とも重なって、耳も気持ちもリセットされるような心地だった。 アンコールは「沈黙の光」をパートを変えて。響きの少ないB5のしかも最前列で聴いても、彼らのハーモニーは見事に溶け合って聴こえた。人の声の魅力を堪能したプログラムだった。
by mamebito
| 2012-05-10 22:35
| コンサートレビュー
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