タグ
レビュー(602)
オーケストラ(412) LFJ(76) ピアノ(62) 室内楽(58) アマチュア(52) チェロ(50) 都響(44) 弦楽四重奏(44) N響(36) CD(35) 東響(28) 新日フィル(26) 交響曲(23) ヴァイオリン(19) 以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
お気に入りブログ
外部リンク
記事ランキング
検索
最新の記事
ブログジャンル
|
2011年9月11日(日)14:30~ HAKUJU HALL
Fl.菅きよみ Vn.若松夏美 Va.成田寛 Vc.鈴木秀美 ♪モーツァルト/フルート四重奏曲第3番、第2番 ♪ハイドン/フルート四重奏曲Op.5-1、Op.5-2 ♪モーツァルト/フルート四重奏曲第4番、第1番 ♪同/同第4番~第3楽章(アンコール) 食材に例えるのは軽率かもしれないけれど、敢えて申し上げるならば、太平洋やオホーツク海ではなく、瀬戸内海や日本海の夢のように美味い魚を食した恍惚感に似ていた。表立った主張はせずとも、繊細な味わいが凝縮されて薫り高い、とでも言おうか。 菅さんは、BCJなどで柔らかなトラヴェルソという印象を抱いていた。いっそう小規模なこの日の作品では、絹地のように柔らかな息遣いがたまらなく繊細なニュアンスを描き出した。第1番終楽章、手が届かない明るさへの憧憬、顔で笑って心で泣くような心象をこれ程に感じさせてもらえるとは…。 皆さんの類稀な腕前については言うに及ばず。妙な熱気や緊張感といった気負いがなく、しかし真剣に楽曲に向き合っていらっしゃる佇まいが何とも快い。どの作品の演奏も、ハクジュの豊かな響きと親密な空間にぴったりの雰囲気をまとっていた。モーツァルトでは哀艶な愉悦が、ハイドンでは嬉々としたウィットが、鮮やかに描き分けられたのも見事だった。 また、幸いにも最前列で鑑賞できたので視覚的にも宝の山だった。各人の奏する音が舞台のちょっと上空で1つになっていく様をありありと感じられた。上2弦に裸ガット(下2弦はおそらくガットの金属巻き)を用いた鈴木さんは至芸…明らかなメロディライン等を除けば表立って何かをするわけではないのに、ものすごく多彩で懐の深い音楽世界を形作っていく。これはとても言葉では表現できない。至近でやっと聴き取れた程度の極々些細な音のかすれに、ご自身「チッ」と顔をしかめる、それ程に演奏者の皆さんにとっても練り込んだ万全のパフォーマンスだったのではないだろうか。 この日の出演者による「モーツァルト/フルート四重奏曲全曲」は、当公演の直前に商用音源収録済みとのこと。私にとって間違いなく必達アイテムになりそう。
by mamebito
| 2011-09-29 18:53
| コンサートレビュー
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||