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2011年7月31日(日)14:00~
すみだトリフォニーホール 井崎正浩+新交響楽団 ♪プロコフィエフ/スキタイ組曲 ♪ハイドン/交響曲第101番「時計」 ♪チャイコフスキー/交響曲第5番 新響のエクセレンスを改めて実感する名曲プログラムだった。とにかく金管が巧い。これまでもショスタコやマーラーに度々感嘆してきたけれど、スキタイで聴かれた力強さと冴えも胸の空く見事なものだった。また、時計ではFl、チャイ5ではHrのトップ氏が達者。特にチャイ5第2楽章のHrソロはたいへん豊かで、作品を通じてHrパートの輝かしいパフォーマンスが光った。 もちろん弦もいい。この日は芸劇では気付かなかった新響弦セクションの音色美を堪能。特にチャイ5において、第1楽章冒頭の深く沈静した響き、第2楽章の適度に熱のこもった音色、指揮者の意図を汲んだ終楽章冒頭の明るく祝祭的な響き…これほどヴァラエティがあり大人びた弦を聴かせるアマオケは本当に希少だと思う。 一方で、案外ザッツや音程などに細かな粗が多いことにも気が付いた。ただ、それらは今回のようにステージ至近(3Fバルコニー舞台横)で聴かなければおそらく分からない程度のもので、しかも新響は瞬時に補正する術に長けていた。言ってしまえばごまかしなのだけれど、それは些細な違和感も察知して舞台上ですばやく対処できている裏返しであって、むしろ楽団に根付く柔軟なスキルに感心せざるを得ないのだった。 作品としては、スキタイがとても練られて精彩に富んだ。前述の管楽器に限らず、第2楽章の変則スフォルツァンドを弦合奏が極めて克明に彫刻したり、ズラリと並んだパーカッションが衝撃音だけでなくニュアンスのある響きで色彩感を加えていた。おそらく練習に最も時間を割いたと思われる丁寧な仕込みが伺えた。 時計とチャイ5では、主にテンポについて指揮者と楽団の間でネゴりきれていない様子が感じられた。それは即興的な緩急といった表現の点ではなく、速い箇所で楽団がタクト以上に速度を先取ろう、速く弾かなければ・吹かなければと急く姿として散見された。 とはいえ、全体としては細かな違和感が気にならないほど聴き応え十分で、充実した演奏を堪能。そして今回も、一介のアマチュア楽器弾きとして学ぶ所の多いコンサートだった。
by mamebito
| 2011-08-03 21:50
| コンサートレビュー
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