タグ
レビュー(602)
オーケストラ(412) LFJ(76) ピアノ(62) 室内楽(58) アマチュア(52) チェロ(50) 都響(44) 弦楽四重奏(44) N響(36) CD(35) 東響(28) 新日フィル(26) 交響曲(23) ヴァイオリン(19) 以前の記事
最新のコメント
最新のトラックバック
お気に入りブログ
外部リンク
記事ランキング
検索
最新の記事
ブログジャンル
|
2010年11月27日(土)14:00~
横浜みなとみらいホール パーヴォ・ヤルヴィ +ドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団 ♪シューマン/序曲、スケルツォとフィナーレ ♪ベートーヴェン/大フーガ(弦楽合奏版)、交響曲第5番 ♪ブラームス/ハンガリー舞曲第5番・第6番(アンコール) オペラシティ公演と合わせて、今年のクライマックスは彼らのシューマンで訪れた。 この日も「序曲、スケルツォとフィナーレ」が感涙ものの名演奏。LFJ2010で聴いてしまったまがいものの苦い印象を払拭して余りある、なんともヴィヴィッドなシューマンだった。この佳作にも心情のめまぐるしい浮き沈みが潜むわけだけれど、交響曲に見られるほどの落差はない。それだけに平板な演奏になりがちで、むしろ表現が難しい作品だと思う。しかし彼らは、特に繊細なスケルツォを、類稀な運動性で鮮やかにさばきながら色彩的なまでに微妙な心情の揺れを再現していく。その技量・音楽性には感嘆するしかなかった。大好きな作品だったが、ここまで魅力溢れる音楽だったかと、文字通り目から鱗が落ちた。 ベト5は既出の名盤と同様、緊張感とメリハリの効いた感動的な演奏。パーヴォと団員の仕込みはいっそう練り込まれ、凹凸がより明確に。聴き所は満載だが、中でも埋もれがちなクラリネットの扱いが秀逸。他楽器とのユニゾンバランスで色艶を与えるだけでなく、時にはベルアップで強烈な存在感を示し、作品の立体的な完成度の高さにも改めて瞠目することになる。また、録音との違いという点では、第2楽章は一段と流れがよく掛け合いも明確に示され、凛として胸の空くようなメッセージが引き出された。 アンコールはセンス抜群のエンターテインメント。自由を極めるが、まるで嫌らしいあざとさを感じさせない。5番はどちらかというと切れ味よく颯爽と奏でた。6番は冒頭1音の後、長い一呼吸を置いてから弦のトレモロで漸次デクレシェンドしていく、といったハイセンスな遊びに心躍る。楽団の嬉々として沸くような雰囲気と相俟って、愉しいことこの上なかった。 なお、「大フーガ」はパーヴォは登壇せず弦楽合奏のみで奏された。これがまた極めてヴィヴィッドな演奏。腕っこき集団の面目躍如たる自由度の高いアンサンブルで、4人で奏でる原曲に勝るとも劣らない程のニュアンスを再現。指揮者を置かない彼らのパフォーマンスを日本で堪能できたことは貴重だった。
by mamebito
| 2010-12-11 23:11
| コンサートレビュー
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||