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2010年10月24日(日)15:00~ 東京文化会館(小)
鈴木秀美+オーケストラ・リベラ・クラシカ Vn.佐藤俊介 ♪ハイドン/ヴァイオリン協奏曲 Hob.VIIa:1 ♪ジュミニアーニ/ヴァイオリン・ソナタ~第4楽章(アンコール) ♪ハイドン/交響曲第92番「オクスフォード」 ♪ベートーヴェン/交響曲第2番 ♪ハイドン/交響曲第62番~第2楽章(アンコール) オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)はライヴも録音も、浜離宮における演奏しか聴いたことがなかった。残響豊富な浜離宮はピリオド楽器の優美さが際立つ一方、少々耳当たり良さが先行する印象もあった。翻って、東京文化(小)は楽員さんがギリギリ乗り切れる小さな舞台に小ぶりな空間、音の塊が客席後方までよく届く。すると美しさだけでなく、この楽団の克明な描写や中身の濃い本来の音楽が如実に伝わってきて、たいへん求心力のある演奏を堪能できた。 どの作品も精細に富む。例えば、オクスフォードとベト2の各両端楽章はかなりアグレッシヴ。作品のエネルギーが喚起されて、前者ではハイドンならではのウィットや“やんちゃ”な表情が愉しく、後者では猛るようなパッションがクリアな鮮度と共に伝わってきて何とも清々しい。過剰に熱くないのだ。 ベト2は第2楽章が個人的な白眉。後期に深みを増す苦悩や浄化の端緒が垣間見られのだけれど、それがまだ若くて真っ直ぐ。この日の演奏はそんな叙情にぴったりで、各場面の想いの“核”を抽出したような説得力に打たれた。鈴木秀美さん+OLCのどこか若々しいメンタリティにもマッチしていたように感じた。 2010年のライプツィヒ・バッハコン(モダン・バロック混合で審査)で第2位+聴衆賞に輝いた佐藤俊介さんも素晴らしいの一言。この方のモダンVn、的確な技術に加えてピチピチと瑞々しくとてもフレッシュな印象を持っていた。バロックでは、時代背景を考察してか一段と情熱的な表現が際立つ。強音ではモダン楽器的な圧の強いボウイングも織り交ぜる。それが良い意味で音楽の勢いと表現幅を増していたと感じた。OLCは秀美さんが棒を振らず一人でVcを弾きながらアンサンブルでソロを支えた。またコンチェルトの後、佐藤さんは1stVnのトップサイドで楽団に加わって演奏、前述のアグレッシヴなアプローチに加勢した。 終演後は、OLC恒例というロビーでのワインパーティに縁あって潜入。終演後には既にロビーのテーブルに開栓したワインが並びその香りが帰路に着く聴衆を包み込む(笑)。演奏家の皆さんや仲間とのフランクな語らいは音楽にまつわる最高の時間のひとつ。と同時に縁をつないでくれる人と音楽に感謝が尽きない。自分もそんな音楽のハブのひとつになっていければ、と改めて思った。
by mamebito
| 2010-10-30 01:17
| コンサートレビュー
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