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2010年4月24日(土)18:00~ 横浜みなとみらいホール
高関健+日本フィルハーモニー交響楽団 ♪ハイドン/交響曲第100番「軍隊」 ♪ショスタコーヴィチ/交響曲第10番 ♪チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」 ~あし笛の踊り(アンコール) 横浜で日フィルを聴くのは13年ぶりだろうか。ハマですごした10代、学生席をフル活用してしばしば県民ホールに通ったもの。しかしその後、00's前半の日フィル苦境期に残念な演奏が続いたこともあって、2004年6月25日のパパ・ヤルヴィ+バボラク来演を最後に日フィル自体聴きに行かなくなってしまいました。それが、ラザレフやインキネンを招いた最近のV字回復たるや。 まず「軍隊」について。日フィルでハイドンと言えば、1997年7月10日に広上さんで聴いた102番が痛快だった記憶があります。本日も当時と同様に大モダンオケ編成(Vn14本・Cb7本)。しかし当時と異なるのは感興の乏しさに合奏品質の低さだ。高関さんは、いつものように偏執なまでにインテンポで無駄のない音楽を創ろうとしていたと思うのですが、団内には色々な感じ方が混在しているようでした。よってオケの合奏はズレてその補正に終始。今どき大編成のモコモコした響きと打楽器が景気よく引っ叩くのが面白いぐらいで、虚しさ漂う演奏でした。最近の評判に期待していただけにがっかり。 休憩中「日フィルも結局は高名なマエストロの時だけ全力を尽くしているだけなのでは?」などと怒り半分ツイッていたところ、そのモヤモヤは後半のタコテンで吹き飛ぶ(笑)。昨年のゲルギエフ+マリインスキーの名演奏には遠く及ばずも、好評なプロコ・チクルスの片鱗を垣間見たような快演でした。 弦の編成はハイドンの時と同じながら、見違えるほど表情豊かでブリリアントに鳴る。かつて達者ながら薄っぺらだった弦の音色はだいぶ改善されたよう。木管はクラ伊藤氏がずば抜けていた印象しかなかったけれど、真鍋さん難波さんの横笛もいい。上手だけれどブラバン的で安っぽかったブラスは、音楽的な余裕が感じられてパワーも十分。 第1楽章の長い序奏では低弦とヴィオラの響がしっとりしてなかなかに語る。伊藤氏のクラソロはさすが。第2楽章の疾走はテンション高く、楽団全体の集中の高まりが客席までびんびん伝わってくる。第3楽章は執拗なDSCHのクライマックスも惹かれますが、何よりホルン首席福川さんのソロに瞠目。素直な良い音色、同じ動機でも音量と場面によって高らかな響きや落ち着いた表情を使い分けるセンスのよさ。またピッコロ難波さんは響きがふくよかで表情が豊か。大活躍するだけに、咳をこらえて息をコントロールし続けた健闘に拍手。この第3楽章は今日の白眉でした。第4楽章は若干緩んだ箇所もありましたが、ブラス&パーカスを筆頭に冴え渡り、フィナーレも十分に客席を昇天させてくれました。アンコールでは並笛3本のエクセレンスとトランペットの抑制された表情がチャーミングでした。 高関さんのタクトはやはりインテンポ主体で奇を衒わない。ブラス&パーカスを思い切り効かせて痛快ながら、しっかり弦を鳴らした上であったり木管メロディをつぶさなかったり、暴発させずツボをおさえた構築はさすがでした。厳しさとアイロニーが同居するスコアから、角の取れた温かさがにじむのもマエストロらしかった。 ラザレフとのプロコ・チクルス次回は9月、上原彩子さんを迎えてのPf協3番とSym5番!きっと聴きにいこう。
by mamebito
| 2010-04-24 23:04
| コンサートレビュー
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