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2009年10月29日(木)19:00~ サントリーホール
アンドレ・プレヴィン+NHK交響楽団 ♪モーツァルト/交響曲第38番「プラハ」、 第39番、第40番 定期会員の知人が急遽いけなくなり譲っていただいたP席。N響サントリー定期は2年以上前にメルクルのフランクを聴いて感動して以来。 今や円熟の極みにある数少ない指揮者の一人、プレヴィン。氏のモーツァルトは最高級ブランドの1つであり、舞台も客席もマエストロが大好き。そんな雰囲気で満たされたコンサートが本来悪かろうはずはありません。 オケは1stVn8型の小編成で透明性が高い。室内楽的な親密さも相まって、おそらく舞台上のほぼ全員がプレヴィンの音楽に心から寄り添っているような音がしました。プラハ冒頭の全合奏の温かさ柔らかさからして「これはいつもと違う」とハッとするようなスペシャルな響でした。 その音造りのキャラクター-透明性と温かさ-をもって、マエストロは極めてニュートラルな表情を保ちながら淡々と音楽を運びます。本日最も特筆すべきはやはりこのプレヴィンの高潔な音楽性でしょう。ここまで因習や恣意と無縁でありながら不自然な潔癖症に陥らないモーツァルト解釈にはなかなかお目にかかれないのでは。またこれもプレヴィンらしさかもしれませんが、テンポ感が例えようもなく絶妙でした。遅くも無く早くも無く、針穴を通すような最適な脈動をいとも自然に上半身から繰り出していました。そうした最高純度の音楽をほぼ再現していた大方のN響団員さんの技量と献身にも、素直に拍手を送りたいと思いました。 しかしながら、コンマスがあの方の時にこれだけ小編成だと“堀正文室内管弦楽団”の様相を呈してしまうのが気になりました。もちろん氏はソロ・ヴァイオリニストとしてずば抜けた方ですので、合奏と一体化した時にはVnパートを一段も二段も高い域に持っていき惚れ惚れさせてくれます(本日の第39番第1楽章など好例)。ただ、氏が備える様式感やリーダーシップが楽団から突出してしまう場面が多く、合奏の一体性を損なっていると思うのです。それは今まで何度も感じてきたことではあるのですが、本日ほどに楽団全体がマエストロへ尽くそうとしている舞台にあっては、堀氏の親方ぶりは際立って異質に聴こえました、正直言って。その点が惜しかった。 足を悪くしているプレヴィンは今年で80歳。けれど台上に座したタクトは音楽同様に明晰で、無駄なく外連なく自然でした。今や楽壇で最も貴重な時間の1つかもしれないプレヴィンとの舞台。その恩恵に与るだけでなく、マエストロにたくさんお返しもして元気でいてもらえるような、そんな演奏をN響さんには期待したいものです。
by mamebito
| 2009-10-29 23:55
| コンサートレビュー
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Comments(2)
こんにちは。プレヴィンのモーツァルトにはmamebitoさんと同じものを感じます。そんなモーツァルトを期待して1日目を聴きましたが、今回はちょっと期待はずれでした・・・ 2日目は指揮者とオケの親密度という点では1日目よりも打ち解けていたようですね。1日目はプレイヤーの弾いている姿にいつものプレヴィンとの演奏のような豊かな表情が見られませんでした。N響の首席客演指揮者というポストを得たプレヴィン、これからも客演を重ねてN響に歴史を刻む存在になってもらいたいと思います。
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mamebito at 2009-11-03 10:42
プレヴィン+N響への期待、私もpocknさんと同じ想いです。N響さんにとっても久々に、楽員誰もが文句なしにウェルカムな人事なのではないかと思うので、オケに良いものが加わっていくとよいですね。個人的にはpocknさんが行かれたC定期のように、多人数を要する作品の方が今のN響の美点が活きるのかなと思います。来年の客演が楽しみです。
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