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ザンクト・フローリアンではないですが、初めて教会で聴くブルックナー。
2009年9月9日(水)19:00~ ヨハネ教会、ヘルシンキ ヘルベルト・ブロムシュテット+フィンランド放送交響楽団 ♪シベリウス/交響曲第7番 ♪ブルックナー/交響曲第9番 ヘルシンキの南に位置するヨハネ教会は中央駅付近から10番トラムで約10分、フィンランド放送響がフィンランディア・ホールと合わせて定期公演を開いています。 大聖堂ではないので空間は小ぶり、祭壇背面の壁が高く反響板の役目を果たしているのか、案外音のまとまりはよい。祭壇前の平土間を舞台として区切っているだけなので、音が石造りの地面を伝って木製の長椅子までビリビリと伝わり音楽の体感度が高く面白い。ただ、その祭壇前がいびつな形をしているので、ブロムシュテットおなじみのドイツ配置を組むと1stVnの後ろにCbが詰め込まれて他パートと分断され、演奏しにくそうに見えました。 素晴らしかったのはシベリウス。何より音色が「これぞシベリウス」といったところで、クールな表面の内に熱くミステリアスな深みを湛え大いに惹かれるものがありました。さらに音楽の密度が濃い。正に楽団自家薬籠中の作品なのでしょう、ぞんざいな響きは皆無に近く、奏者一人ひとりが音の目的と効果を熟知しているように感じられる演奏でした。シベ7で多用される音階や不協和音は無駄がなく有意なのだということにも強く気付かされました。合奏も難しい同曲をブロムシュテットは例のごとく前向きなテンポで進めるのですが、オケのアンサンブルに余裕がありしっかりとついていく。すると各声部が残響豊富な空間に渦のように響き渡って、元々こうした空間を想定して書いたのではと思われるほど教会にぴったりでたいへん感動的でした。 休憩中は皆さん建物の外へ出て談笑や喫煙。教会には空調も無ければラウンジも自販機も無い。ちなみに写真は現地時間19:40頃。まだまだ明るい。 この教会コンサートは一回券一律16ユーロとお手頃。座席は自由席で、スーツを着込んだ紳士淑女からジーパン+ニット姿の若者まで集いカジュアルな雰囲気が漂いました。 さて、期待のブルックナーはシベリウスに比べると出来の差が大きすぎました。単純な傷も多ければ、音色や醸しだされる落ち着きにもう一歩懐の深さを求めたい。ホルンが万全ではなく、ラッパが硬かったのも災い。第1楽章コーダなど地響きの迫力に圧倒されましたが、大聖堂に響き渡る大伽藍の威容を呈するまでには至らず。第2楽章の推進力はさすがブロムシュテットといったところながら、ここへ来て合奏のほころびが興を殺ぐ。第3楽章は、教会の響をしてもあの特別な祈りのような音楽は十分に再現されませんでした。この作品、ヴァント+北ドイツ放送響の最後の来日で生涯忘れられそうにない演奏に接してしまったからか、私の中で感動に至るハードルが随分高くなっている気はします。20:55終演、さすがに外は闇に包まれていました。 フィンランド放送響、決してグローバルに一流の楽団とは言い難い。しかし、こと北欧音楽において楽団に備わる音色と語り方にはやはり独特の魅力があると感じました。最近の来日で組むサラステやシェフ=オラモは音楽があまりにダイナミックで、楽団のそうした魅力をかき消しがちなきらいがあります。その点、ブロムシュテットはアグレッシブな造りの内にもオケの潜在能力を十分に引き出しておりさすがでした。
by mamebito
| 2009-09-19 07:06
| コンサートレビュー
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Comments(2)
ヘルシンキ 凄い良いですね!
ブロムシュテット そして 7番 しかも 教会 いやあ とても素敵なご経験をされましたね 僕も聴きに行きたいです ところで ブロムシュテットは11月に来日しますね 元気なところを見せてくれそうです フィン放送のオケは 普段は9番はやらないのかな… 僕は 実情をあまり知らないので…
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mamebito at 2009-10-02 00:29
ヘルシンキ、案外音楽の充実した街で私も驚きました。少し北に行けば、ラハティはもちろん、タピオラにベルグルンドやラインハルト・ゲーベルが登場したりして新鮮な出会いにも事欠かない様子です。更新遅れていますが近日中にラハティのレポートも上げますのでぜひまたご覧になってください。
フィン放響のシーズンプロを見ると、ブルックナーはこのブロムシュテットぐらいだし、来日のたびにシベリウスとベートーヴェンばかりやっている印象があります(笑) 11月のチェコフィルですね、ブロムシュテット。チケット未入手なので、オークションや掲示板で密かに狙っています。
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