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2009年7月5日(日)14:00~
水戸芸術館コンサートホールATM 準・メルクル+水戸室内管弦楽団+Vn.豊嶋泰嗣 ♪ドビュッシー(カプレ編)/組曲「こどもの領分」 ♪ハイドン/ヴァイオリン協奏曲第1番 ♪ベートーヴェン/交響曲第7番 ♪ドビュッシー(カプレ編)/組曲「こどもの領分」 ~ゴリウォーグのケークウォーク(アンコール) 昨年11月の指揮者無し以来の水戸室内管弦楽団(MCO)を聴いてきました。今回は敬愛しているマエストロの一人メルクルが登壇、いやが上にも期待が高まります。 ドビュッシーは生彩の内にエスプリも薫る素晴らしい演奏。デュトワ+OSMの名盤に比べれば色彩感とエレガンスは一歩譲るものの、メルクルらしい前向きなリズム感と生き生きした表情が作品の魅力をとても純粋に伝えていたと思います。特にカプレ編で大好きな「人形へのセレナーデ」、メルクルの繊細なタクトが抜群に冴えて、理想的な振幅で琴線に触れました。雪の夢幻的な美も繊細の極み、ケークウォークは心から楽しい。マーラー室内管から客演のオーボエ吉井瑞穂さんのソロが圧倒的に素晴らしかった! ベト7はマッシヴで質実。ピリオド・アプローチやスタイリッシュな構築とは遠いところにありました。室内楽団を前にしても20世紀スタンダードな解釈で正面から取り組むあたりも、生粋のドイツ育ちメルクルらしいというべきか。加えて、これもメルクルらしさですが、全編に覇気があって伸びやかな感興に溢れます。圧巻は終楽章、クライバーを髣髴とさせるハイテンポで極めてエキサイティング。それでもベートーヴェンの様式感や上質な音色を逸しない辺り、クレバーでセンスの良いメルクルの美質ですね。優秀なオケはマエストロと対等に自発的な音楽を構築しており、非常に充実した名演奏だったと思います。 アンコールはベト7の勢いあまってか、ケークウォークがマーチのようにたくましく(笑)。そのご愛嬌が作品のユーモアをまた別の方向から表出するようで愉快でした。 ハイドンのコンチェルトは、作品自体が物足りないものの美しい好演だったと思います。何度か記憶を失いかけたのは、むしろ優れた演奏だった証拠ではないかと。 今回初めて指揮者を前にしたMCOの実演を聴いて。指揮者無しでも素晴らしいのですが、ポテンシャルを引き出すマエストロを迎えた時のMCOは間違いなく世界屈指の室内楽団だと確信しました。他に本籍を置くメンバーとソリストが大半のため活動は非常設的にならざるを得ませんが、欧米のようなオーケストラ活動のバックグラウンドがあるわけではない文化圏において、国の内外に散る名手が定期的に1つの楽団の個性に終結するという形は理想ですね。設立20年記念の年にMCOの素晴らしい成果にも思いを馳せました。 MCOは来年4/11(日)にサントリーホールで久々の東京公演を行うとのこと。指揮は小澤征爾。同7月には水戸で再びメルクルが登壇するそうです。
by mamebito
| 2009-07-07 00:59
| コンサートレビュー
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