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1ヶ月ブリュッヘン漬けの反動もあって、久々にフル・オーケストラのドイツサウンドに身も心も任せる快感に浸ってきました。
2009年3月1日(日)14:00~ ミューザ川崎シンフォニーホール セミヨン・ビシュコフ+ケルンWDR交響楽団 Vn.ヴィヴィアン・ハーグナー ♪シューマン/「マンフレッド」序曲 ♪ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ♪J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ~サラバンド(アンコール) ♪ブラームス/交響曲第4番 ♪エルガー/エニグマ変奏曲~ニムロッド(アンコール) ビシュコフ+ケルン放送響(ケルンWDR響)のブラームスは、引き締まった造形で余情を排しつつもうねるようなロマン性をしっかり練りこんでいる点が魅力だと思います。音楽監督着任直後の来日公演(確か98年頃の芸劇でした)のエアチェックで聴いた4番、数年前にリリースされた交響曲全集のDVD、共々安定して高水準なブラームスを再現しており、彼らの十八番の1つに違いないでしょう。 今回のブラ4も上記のとおりで、比較的速いテンポの大きな起伏の波がミューザの螺旋空間を駆け巡るよう。第1楽章終結部たたみかけの情熱など凄みがあり飲み込まれます。続く第2楽章は客観性と情念のバランスが絶妙で、スコアの美しさとクライマックスでの高揚感が両立しており秀逸。第3楽章第4楽章は、特に全合奏の強奏における引き締まったサウンドが充実著しく、第4楽章終結部における速めのテンポ移行も熱く、期待通りの秀演でした。冒頭のマンフレッドも同様にうねるようなロマンが織り込まれキビキビとした好演。 期待以上に素晴らしかったのがハーグナーのヴァイオリン。数年前のブラームスのソナタのディスクではたおやかな美音をお持ちという印象を抱いていましたが、ライヴでは美しさに加えて伸びやかな鳴りのよさに迫力すら覚えました。ブリュッヘンの魔法が解けていないからか、ほとんどの音にヴィブラートをかけるスタイルに一瞬疑念を抱いたものの、曲が進むほどにテンションの自在なコントロールで音楽を巧みに描き分けてくれるのでグイグイ引き込まれました。合奏にも長けているようで、オケときちんとコラボレーションして1つの音楽を作る姿勢もとても好ましかった。伴奏の所々ピリオドライクな作り方は(やはりブリュッヘンを聴いた直後では)真似事の域を脱しない感じがしましたが、総じてたいへん気持ちよく手応えのあるベートーヴェンを愉しませてもらいました。 そして嬉しいことに、このどっさりドイツ・プロのあとでアンコールがニムロッド!鳴りきった楽器が奏でる郷愁に満ちた叙情が、ブラ4で火照った身体には殊のほか染み入りました。 舞台の外で1点、S席=14,000円のコンサートでプログラム1部=1,500円は高すぎません?確かに装丁は美麗で立派でしたが、来日メンバー情報や楽団・本拠地の動向を聴衆にもっと広く分け与えていただきたいものです(欲しかったけれど買いませんでした。ささやかな抗議…)。
by mamebito
| 2009-03-03 02:00
| コンサートレビュー
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